日本馬はフォーエバーヤングだけじゃない。伏竜Sを制したテーオーパスワード(牡3、栗東・高柳大輔厩舎)が、ケンタッキーダービー(3歳・G1・ダ2000m)で大偉業を狙う。

 テーオーパスワードは父コパノリッキー、母テーオーレイチェル、母の父キングカメハメハの血統。祖母の父のFavorite Trickは2歳にして米年度代表馬に選ばれた名馬だが、98年のケンタッキーダービーでは8着に敗れている。

 ここまで2戦2勝。1月の新馬(京都ダ1800m)は番手から後続を寄せ付けない完勝だった。次走には格上挑戦となる伏竜Sを選択し、ここを鮮やかに逃げ切り。「ジャパン・ロード・トゥ・ザ・ケンタッキーダービー」の首位に立ち、米遠征が決まった。鞍上には3年連続でカナダのリーディングジョッキーに輝いている木村和士騎手を確保。昨年も日本馬でケンタッキーダービーに参戦(マンダリンヒーローで12着)した若き名手を背に、大一番にチャレンジする。またオーナーにとっても、先週の天皇賞(春)をテーオーロイヤルで制しており、2週連続でのG1制覇がかかる。

 日本馬という枠を超えた大記録がかかる。記録が残っている37年以降、最少キャリアVは3戦(3頭)。キャリア2戦のテーオーパスワードが勝てば更新となる。また、年明けデビュー馬はケンタッキーダービーダービーを勝てないというジンクス、通称「アポロの呪い」にも挑むこととなる。18年にJustifyが136年ぶりに打破し、昨年もMageが制しているものの、高い壁であることは間違いない。

 勝てばもちろん、勝ち負けに加わるだけでも大きなインパクトを残すこととなるだろう。全米を驚かせるようなアップセットを期待したい。

【ケンタッキーダービーの日本馬成績】
・95年・14着スキーキャプテン(武豊騎手)
・16年・9着ラニ(武豊騎手)
・19年・6着マスターフェンサー(J.ルパルー騎手)
・22年・13着クラウンプライド(C.ルメール騎手)
・23年・6着デルマソトガケ(C.ルメール騎手)
・23年・12着マンダリンヒーロー(木村和士騎手)