コマースロボティクスは5月31日、三菱UFJキャピタルなど計4社を割当先として、総額3億9290万円の資金調達を実施した。調達した資金は、SBSホールディングスとの次世代型クラウドWMSを共同開発など、成長戦略推進のために活用する。
「ITによりビジネスをより簡単に」をミッションに掲げるコマースロボティクスは、Eコマースの全体最適化と自動化・効率化を実現する日本初のEコマース向けSCMサービス「コマースロボ」など、EC、企業のDXを支援するサービスを提供している。
このほど、シリーズCの資金調達として、三菱UFJキャピタル、トランス・コスモス、SBSホールディングス、モバイル・インターネットキャピタルの4社を引受先とする第三者割当増資を実施し、総額3億9290万円の資金を調達した。これにより、創業以来の累積資金調達総額は約5.9億円となった。
今回調達した資金は主に、SBSホールディングスとの次世代型クラウドWMSを共同開発、商取引を電子化するコンパウンド型SaaSシリーズの新規開発、現在の主要サービスのマーケティング費用、クロスボーダー型のAI事業開発、インド工科大出身者を中心としたインド開発者の採用の成長戦略推進のために活用する。
コマースロボティクスは、SaaS事業を主たる事業としているが、成長戦略として、コンパウンド化戦略を中心に多数の製品群を短期間に開発する予定だとし、大手企業やB2B企業、メーカー、海外企業などに顧客を拡大させていくとしている。
インド、ベトナムでのオフショア開発も強化し、海外市場向けのSaaS製品の開発も推進を予定。新規事業として、インド工科大出身のエンジニアとインドラボを活用し、クロスボーダー型のAI事業などを計画している。
コマースロボティクスのSaaSサービスは、EC運営企業を中心に1600社以上の顧客に利用されており、物流2024年問題への対応により、主力サービスの「OMS+WMS」は年率30%以上で急成長している。
今回のSBSホールディングスとの資本・業務提携により、大手企業向け、B2B向け、工場向けのWMSソリューションを開発し、より市場の拡大を図り、業界トップを目指すとしている。
調達資金を新たなDXサービス開発とGlobal AI事業開発に投資し、インド工科大から優秀なITエンジニアの採用や、マーケティング強化に活用することで、より多くの事業者の採用課題解決に尽力していく考えを示した。
今回の取り組みにあたり、コマースロボティクス 代表取締役 伊藤彰弘氏は、「弊社は、スタートアップ企業ですが、7期連続黒字の堅実経営を行っており、これまで約3億円程度の内部留保を蓄積してきました。今回の資金調達により成長戦略に舵を切ります。特に重要と考えるのがSBSホールディングス様との資本・業務提携です。お互いの強みを活かして、最高レベルの次世代型WMS開発プロジェクトを推進いたします。また、これまでもインド工科大を中心に新卒採用を行っていますが、今後は採用人数を大幅に増やしていく計画です。海外の優秀なエンジニアを採用して、AI事業とグローバル事業を推進していきます。それにより、海外売上を現状の15%ほどから、3年後に50%まで拡大することを目指してまいります」とコメントした。
【出資者のコメント】
・三菱UFJキャピタル 投資第2部 部長 佐藤栄司氏
今回のラウンドにてコマースロボティクス社に株主として参画できたことを非常に嬉しく思っております。
コマースロボティクス社は、現在OMS(発注管理システム)とWMS(倉庫管理システム)一体型のSaaSを提供し、主にEC事業者の配送管理の効率化とサービス品質の維持に貢献しています。
同事業で得られたノウハウを基に、今後配送事業者だけではなくオフショア開発に関わる事業会社向けにもサービスを提供する予定です。これらの事業展開により今後も継続的な成長が可能と考え投資を行いました。
今回の資金調達を機に、MUFG一体でコマースロボティクス社の更なる成長のご支援をして参ります。
・トランス・コスモス 常務執行役員 兼澤伸二氏
今回の増資で、新たなパートナー様の参画・ソリューション開発・連携等、変化が激しい市場に対する推進方針・体制が強固になり嬉しく思います。
コマースロボティクス社は、EC・バックオフィス関連SAAS、Global事業において独自の優れたソリューションを提供しており、常にお客様に感謝されるソリューション作りに努力し続ける姿に感銘を受けています。この度の成長戦略への投資は、ソリューションの進化・更なる事業成長へ繋がる大きな起点になるものと考えます。 コマースロボティクス社は、当社のEC事業・BPO事業との親和性が高く、今後の更なるシナジーにも期待をしています。
・SBSホールディングス 事業開発部 入倉優海氏
私たちSBSグループは、今回の出資を通じて、御社との新たなパートナーシップを築けることを大変嬉しく思います。
EC物流業界には多様な規模、商材、販売方法を持つEC事業者が存在しており、ビジネス拡大が続く世界であろうことは、誰もが疑いの余地が無い中で、御社にSBSグループのECビジネスの強力なパートナーとして並走していただけることを大変心強く感じています。
また、御社の強みを活かしたスピード感とEC関連の経験値は、SBSグループのEC物流サービスの大きな力となり、共にEC物流業界No.1を目指すことができると確信しています。
御社のさらなる成長に期待し、引き続きSBSグループは全力でご支援させていただきます。
・モバイル・インターネットキャピタル インベストメントパートナー 稲垣泰仁氏
この度、コマースロボティクス社の資金調達ラウンドに対して、前回ラウンドに引き続き追加出資をさせていただきました。
当社はB2C電子商取引領域において、前回ラウンド以降も着実に事業を成長させており、これもひとえに現場倉庫業務を通じて培われた当社の高い課題認識力、および製品開発力の賜物だと感じています。
また、当社はその事業領域をB2B取引へと拡張し、B2C及びB2Bの電子商取引プラットフォーマーとしてより大きな価値を創造していくことを志向しています。
当該事業構想の実現に向けて、その成長の一翼を担えるよう、引き続き支援してまいります。
コマースロボティクス、シリーズCラウンドで4億円調達 SBSと次世代型クラウドWMSを共同開発
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