日本建設機械工業会(建機工)が発表した4月の建設機械出荷金額は、前年同月比31・1%増の2917億3000万円と、30カ月連続でプラスになった。伸び率も3月の16・0%増より拡大した。3月までマイナスが続き、懸念材料だった補給部品も国内、輸出ともそろってプラスになり、数字上は不安は見当たらない。輸出向けは同36・7%増の2166億2900万円で30カ月連続プラス、国内向けは同17・3%増の751億100万円で10カ月連続のプラスになった。

輸出では、北米向けが同70・9%増の832億円と大きく伸び、28カ月連続で増加した。アジアも26カ月連続増だが、伸び率は同15・5%増の177億円にとどまり、北米の伸びが際立っている。欧州は同15・9%増の293億円だった。

前年同月は半導体や部材不足の影響が大きく、注文があっても工場で作れない状況だった。それに加えて用船不足も深刻だった。建機工では北米向けの大幅増について、「これらのネックが解消されたことが要因と見られる」(事務局)と分析している。

金利高や住宅着工数の減少の影響を受けるミニショベルも、4月は同34・9%増と好調だった。「北米同様に金利高の欧州のミニショベルもプラスで、底堅い印象」(同)がある。

他方、不動産不況の中国と、ウクライナ戦争の影響を受ける独立国家共同体(CIS)・東欧向けは減少が続いている。

国内向けは油圧ショベルが同25・6%増の246億円、建設用クレーンが同25・1%増の118億円と、こちらも底堅い。補給部品は同4・8%増の116億円。輸出向けの補給部品は同21・6%増の256億円と、さらに伸び率が大きい。建機工では「補給部品は建機稼働状況の目安になる。建機が在庫増ではなく、順調に稼働していることを示しており、実需が強い証だ」(同)と説明する。


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