長崎市の平和活動家、故・岡 正治氏の女性に対する性加害問題を受け、休止していた資料館が 名称を「長崎人権平和資料館」と変更して、来月から再開します。

性差別と性暴力コーナーを設け、岡氏の活動を紹介するコーナーは撤去する方針です。

(崎山 昇 理事長)

「社会正義や人権を重んじる社会運動の中にも、根強く存在する性差別に対して常に自覚的であり、改善のために発言、発信、行動していく資料館に変わっていきたい」

28日に記者会見を開いたのは、戦時中の日本の加害責任などを伝える「長崎人権平和資料館」の運営団体です。

1995年に設立された資料館は、朝鮮人被爆者の実態調査に取り組んだ牧師、故・岡 正治氏の名前を冠した名称で運営していましたが、去年10月、岡氏が生前に性暴力を行っていたことが判明。

資料館は謝罪し、名称の変更を発表していました。

(新海 智広 副理事長)

「被害者の痛みを第一に考えようということから考えて、個人顕彰につながるようなものはやっぱりやめるべきだろうと」

資料館では来月以降、名称変更などの経緯を入口正面にパネルで示すほか、朝鮮人被爆者の実態調査などに取り組んだ岡氏の展示を撤去。

代わりに「継続する差別・人権侵害」というコーナーを設け、「性差別と性暴力」や「植民地主義」について紹介する方針です。

資料館は「今後も必要に応じて、展示内容の見直し を行う」としています。