長崎市の端島、通称「軍艦島」。

島民全員が島を離れてから、今月20日で50年となります。

建物などの劣化が進む中、保存整備に役立ててもらおうと上陸ツアーの運航会社が寄付金を市に贈呈しました。

寄付金を贈呈したのは、軍艦島への上陸ツアーや「軍艦島デジタルミュージアム」を運営する「ユニバーサルワーカーズ」です。

ミュージアムで集めた募金など184万円あまりを、軍艦島の保存整備基金として長崎市に寄付しました。

(軍艦島デジタルミュージアム 久遠裕子プロデューサー)

「厳しい自然環境においても輝き続ける世界遺産『軍艦島』の保存のために役立ててもらえれば」

端島炭鉱は、1974年に閉山。

今月20日には、島民全員が島を離れて丸50年となります。

人々が暮らした建物は老朽化。

国内最古の高層アパート「30号棟」などは、ここ数年で一気に崩壊が進みました。

長崎市は2018年から30年間の整備計画を決めていて、まずは島の護岸を優先し修復などを行っています。

高層アパート群など「居住施設」の保存は「技術的にも財政的にも厳しい」としていますが、元島民はできるだけ当時の面影を残すよう市に要望しました。

(元島民・ミュージアムガイド 木下 稔さん)

「朽ちていけばいくほど見たくないという思いが強くなっている。少しでも今の状態を維持できれば元島民にとってもいいかなと思う」

鈴木長崎市長は「できるところから崩壊を食い止め、次世代に世界遺産を残せるよう整備事業を進めていく」と話しました。