3日開幕の「DEJIMA博」に至極のジェラートが登場します。

手掛けるのは石川・能登町出身の「世界一」の兄弟。メードイン能登のジェラートに魂を込めます。

色とりどりのショーケース。

多彩なフレーバーと立ち込める甘い香りが、訪れる人の胸を高鳴らせます。

JR金沢駅から車で20分、石川県野々市市にあるジェラートショップ「マルガーラボ」。

外観は、能登の生乳をイメージした白色を基調にカラフルなジェラートが並ぶ様子をイメージしました。

一見、アートミュージアムのようなこの店。

運営するのは石川県能登町出身のマルガー代表 柴野 大造さん 49歳と統括マネジャーの弟・幸介さん 45歳です。

ともに、国際大会でチャンピオンとなるなど「世界一のジェラート職人」と評価されています。

工房の壁はガラス張り。能登産の生乳が殺菌処理されジェラートやチーズなどに加工される様子を間近で見学できます。

2人がこだわり続けるのは、食べた瞬間に風景が浮かぶ「五感で感じるジェラート」です。

(兄 柴野大造さん)

「全ての食品をジェラートに置き換える発想というか化学の力。それでジェラートを作っている。毎日2、3個は浮かぶ、新しいもの(アイデア)が。化学です。ジェラートは化学と感性が融合した味の小宇宙」

(統括マネージャー 柴野幸介さん)

「美味しいという笑顔は、なかなか写真で収めない限り、形には残らないので、僕らはそれやっぱりイメージしながらいつも作っている」

能登町の酪農家のもとに生まれた柴野兄弟。

地元の生乳など素材にこだわった「メードイン能登」のジェラートは至極の逸品です。

しかし・・・。

今年の元日に起きた能登半島地震。能登半島は甚大な被害を受け、大造さんや幸介さんのふるさとにも、大きな爪痕が。

能登町にある本店では断水し、店の外で地割れなどが起きました。

大造さんが学生時代から通い慣れた輪島市の朝市通りは、変わり果てた姿に。道路も寸断し、能登の食材の仕入れは止まりましたが、それでも「マルガーラボ」の灯が消えることはありませんでした

(柴野幸介さん)

「能登の牛乳は入らないが、石川県内産の牛乳を使ってジェラート屋としてここは営業を止めなかった。今回の震災を通して横の繋がりというか、仲間意識。能登の人たちは震災ですごく傷を負った。それでも下をずっと向いている人たちは結構少なくて、すぐに前を向いて、次にどうしようかということをすぐに考えている。きっと能登の人たちはそういった強さがある」

2人は、被災地復興を願い、ジェラートを避難所に送り届ける活動も。

“こういうものを食べたかった” “ありがとう” など、被災者からの感謝の言葉や笑顔に触れ、ジェラートが持つ力を再確認したと話します。

(柴野幸介さん)

「僕らは今回力強くさらに前を向くことで、次に何か別の場所で大変なことがあったり、災害があった時に、僕らをやっぱり参考に前を向いてくれる人が、例えばいたとしたなら僕らはその参考に、お手本にならないといけない」

地震発生から5月1日で4か月。

休業していた能登町の本店は、先月21日に営業を再開して一歩ずつ復興への歩みを進めています。

ラボにも、ジェラート目当てにさまざまなお客さんが足を運ぶようになりました。

(来店客)

「オペラ歌手をやっているがイタリアの本場以上。イタリアにオペラ勉強しに行った時、そのイタリアの現地でジェラート食べて美味しかった」

今回のDEJIMA博での出店は、能登半島地震の被災地応援としてメットライフ生命の支援のもと実現しました。

3日からの4日間、能登プレミアムミルク、マスカルポーネとオレンジバニラ、グランピスタチオ の3種類のジェラートを販売します。

(柴野幸介さん)

「勉強して努力して人のために作る、お客さんの笑顔のために作るということをすごく大事にしていて、僕らはそれを今回、長崎で少しでも“おいしい笑顔”を届けられるように頑張って作るので、魂のジェラートをぜひ味わっていただけるように楽しみにしている」

食べてくれる人を笑顔に。

魂のジェラートで被災地能登の復興を。

世界一の兄弟は、これからも情熱を注ぎ続けます。

3日開幕のDEJIMA博では、会場に募金箱とメッセージボードを設置し、能登支援のチャリティ募金を呼びかけます。