ミッションは「長崎から世界を支える」。

世界でコンテナ船を運航するグローバル企業の関連会社が、長崎で始動しました。新たな‟船出”に密着しました。

新長崎駅ビルの5階。コンテナの一部を活用した壁面には、ロゴがデザインされています。

今月から事業をスタートした「ONE DEJIMA」のオフィスです。

コンセプトカラーは鮮やかなマゼンタ。その内装は…。

(ONE DEJIMA 遠山 直人CEO)

「これは船の甲板を模して作った机。“出島ターミナルカフェ” と名付けている」

リラックスしてコミュニケーションがとれるよう工夫したそうです。

(ONE DEJIMA 遠山 直人CEO)

「仕事の合間にコーヒーなど持ってきて(テーブルカウンター)で飲んだり。(ソファ)は、もっとくつろげる。船内の家具を作っている家具屋さんから購入した。(テーブルの脚は)船のプロペラを模したもの。ここもリラックスしながら、偶発的な会話を楽しむイメージ」

会社を立ち上げたのはシンガポールに本社を置く世界有数のコンテナ海運会社『Ocean Network Express =ONE』。

200隻を超えるコンテナ船で、120か国を結びます。

輸送能力は世界7位。

2017年に日本郵船、商船三井、川崎汽船の3社の共同出資で設立したグローバル企業で「ONE DEJIMA」は、コンテナ輸送サービスの市場調査、分析など高度な専門知識が必要な業務を担います。

ONE DEJIMAを率いるのは、遠山 直人CEO 51歳。

(ONE DEJIMA 遠山 直人CEO)

「我々が掲げたミッションは長崎から世界を支える。常に新たなことにチャレンジしていきたい」

去年12月に設立。今年3月には、県・長崎市と立地協定を結びました。

(大石知事)

「ただ単に長崎市で事業を行ってもらうだけでなく、我々の取り組みとしてもグローバルなネットワークにつながる。一つの大きなきっかけになるチャンスにできればと期待している」

鎖国時代、唯一の貿易の窓口だった「出島」でこの日、開かれたのは。

(ONE 岩井泰樹マネージングダイレクター)

「大きな課題は,コロナウイルスの流行とともに世界中で起きているサプライチェーンの混乱だった」

海運業の関係者と船舶、海事について研究する日本、中国、シンガポールの学識経験者らによる「コンテナ海運サミット」です。

感染症の流行や国際情勢の緊張などの影響を受ける、国際物流。

サミットは、これらの直面する課題や将来性について話し合おうと「ONE」が開きました。

(ONE 岩井泰樹マネージングダイレクター)

「これからの課題は、環境問題を中心に個社だけでは解決できない大きな社会問題も解決しないといけないところで、産官学の連携が非常に重要になるというところで、集まって大きな課題について共に取り組んでいこうと」

“長崎から世界を支える”。

このミッションを掲げ、始動した「ONE DEJIMA」。

5月、世界各地のONEのスタッフが長崎に集まり、今後の展望を話し合いました。

(ONE DEJIMA 遠山 直人CEO)

「挑戦は、常に素晴らしい刺激的な瞬間を与えてくれる。とにかくまた皆さんと一緒に仕事ができて、本当にうれしい」

地元・長崎を中心に現在9人が働いていて、9月頃には20人に増やして専門人材の育成も始まります。

(ONE DEJIMA 遠山 直人CEO)

「シンガポールの仕事を一部切り取って、言われたことをやるのではなくて各分野の専門家として活躍してもらいたい。ONEにとってなくてはならない存在にしたいというのがこの2年、3年の目標」

世界を見据え、新たな力の結集を。

長崎の地から挑戦が始まっています。