落語家桂文枝(80)が18日、大阪市内で7月16日の誕生日前日に開催する「傘寿を越えて 文枝自選集 華麗なる独演会」(7月15日、大阪・なんばグランド花月)の取材会を行った。

文枝の歌入りの創作落語「涙をこらえてカラオケを」など3席を披露する。3年前に妻と母を相次いで亡くした。「涙−」では、亡くなったおじいさんの焼香の代わりにカラオケの歌で送る「カラオケ葬」の場面がある。最愛の2人を失い、人が亡くなるネタは避けてきたが「妻と母を亡くしてから封印してきたが、3年が過ぎたので、もう妻も許してくれるかな…」と思いを語った。

ゲストには時代をリードする東西の女性落語家、林家つる子、桂二葉を招く。

1966年のデビューから58年。81歳の誕生日直前の落語会に「傘寿で終わりではなく、米寿(88歳)、卒寿(90歳)がある」と気持ちを新たにしたいという思いを込めた。80歳になり、始めたことも多い。ウオーキングは5000歩から1万歩を目標にし、朝食は自炊している。

「80歳前後から覚えが悪くなって、忘れることが多い」と話すが、「その分、人生の中で一番、けいこができている」。

大きなモチベーションがある。これまで作った創作落語は336本。「80歳を越えて、まだまだ元気。500作を目指したい。だれも傷つかない、ハートフルな落語を多く作っていきたい」と意気込んだ。