【秋篠宮家の学校選び】#12

「悠仁さまも浩宮時代の天皇陛下のように、もう少し親しみやすさが出せればいいのですが」と心配そうに話すのは宮内庁OB。ここのところ、皇室の明るい話題といえば、愛子さまが独占している感がある。就職先の日本赤十字社での充実ぶりが伝えられ、その人気は急上昇。一方、大学の進学先の選択に苦慮する悠仁さまの周辺には重たい空気が漂っている。

 将来、天皇になることが定められている点ではかつての浩宮さまと立場は同じ。ただし、置かれている環境はずいぶん異なる。一番の違いは受験の有無である。幼稚園から大学までずっと学習院ですごした浩宮さまは上級校への内部進学を重ねていったので、受験の必要はなかった。

■超進学校では推薦枠に入ること自体がハイレベル

 かたや東大への推薦入学(学校推薦型選抜)も視野に入れている悠仁さまは安閑としていられる状況ではない。「ある意味、一般入試で東大を目指すよりハードルが高い」(個別指導塾幹部)ともいわれる。

 1校当たりに与えられている推薦枠は4人。ただし、男女各3人以内という条件が付けられており、男子校や女子校は3人しか出願できない。悠仁さまが在学する筑波大付属高校は共学なので4人まで可能だ。

「まず推薦枠に入ることが大切になってくるわけですが、筑付高のような超進学校ではハイレベルな競争が繰り広げられる。志願者を絞る学校側にも公平さが求められ、皇族だから選んだと疑われるような事態だけは避けたいはず」(塾幹部)

 推薦枠に入れたとしても合格までの道のりはまだ遠い。第1次選考、面接、大学入学共通テストを経て合否が決まる。24年度は志願者256人に対して合格者は91人で倍率は2.8倍だった。

「ただ、悠仁さまの場合は筑付高の4人の枠に入れれば、合格の確率はかなり高い。ある分野で突出した成果を上げていることが合格への近道。悠仁さまが昨年11月に発表したトンボの論文が大きな武器になる」(同)

 将来の天皇といえども合格が約束されているわけではない。高3の悠仁さまにとって、合格発表がある来年2月中旬までの9カ月半、やきもきする時間をすごさなければならない。

「年の離れた姉が2人いる悠仁さまは周囲の目を気にするタイプ。そこに受験という重圧が加わり、すっかり快活さが失われている。浩宮さまのようにおっとりしていれば、少しは楽だと思うのですが」(前出の宮内庁OB)

 小学生の浩宮さまが南アルプスの山に登った時のこと。山小屋で「ジュースをください」といって、そのまま代金を払わずに持っていこうとした。管理人が「ボウヤ、おカネがいるんだよ」というとモジモジしだした浩宮さま。小遣いを持たされていなかったのだ。その無邪気な様子に管理人はすっかりファンになった。

 現天皇にはこうしたエピソードがたくさんある。悠仁さまが親しまれる天皇になるためには、目の前の目標に直進するだけでなく、余裕も必要ではないだろうか。

(田中幾太郎/ジャーナリスト)