阪神は今オフ、主力選手の「FAラッシュ」のピークを迎える。

 主砲の大山悠輔(29)、捕手の坂本誠志郎(30)、開幕投手を務めた青柳晃洋(30)、そして内野のバイプレーヤー糸原健斗(31)の4人が、今季中にFA権を取得する見込み。中でも他球団が動向を注視しているのは、大山だという。

 セ球団のフロント関係者は、「基本的には阪神に残留する可能性が高いと思いますが……」と前置きした上で、こう続ける。

「大山は希少な右打ちの強打者。昨季は最高出塁率のタイトルを獲得し、大きなケガがなく体も強い。ゴールデングラブ賞を獲得した一塁守備も堅実です。何より、チームへの貢献度が非常に高い。貢献度を数値化した『WAR』の昨季の数字は、MVPレベルの『6点以上』でチームトップ。12球団全体でも上位の5人に入っています。目に見える打率、本塁打などの数字以上に価値がある選手といっていい。今季年俸は2億8000万円と決して安くはないものの、右打ちのクリーンアップを担う選手が欲しい球団は、獲得に乗り出すのではないか。阪神が大山に納得できる条件を提示するかどうかで、各球団の動きが活発になるでしょう」

 大山は昨オフの契約更改で複数年契約を提示されたものの、これを固辞。1億5000万円増の2億8000万円で単年契約を結んだ。更改後には「良い条件を提示してもらいましたけど、単年で勝負させてもらうことになった。FAは取得してから考えたい」と話すなど、条件の上積みを望んでいるとみられる。

「昨オフ、阪神が大山に提示した条件は2〜3年程度だと聞いています。現在29歳の大山がFA権を行使すれば、4年16億円規模の争奪戦に発展するのは必至。大山が阪神の提示額をどう受け止めているか、気になります。2016年のドラフト1位で阪神入りした時は当時の金本監督によるサプライズ指名だったこともあって『1位の価値はあるの?』『3位で取れたんじゃないの?』などと批判の声が飛び交い、本人も相当、心を痛めたと聞いている。阪神の4番、阪神のドラ1という大きな重圧を一身に背負ってきただけに、そうした部分まで阪神がきちんと評価するのかどうか。大山は関東の茨城県出身ですから、在京志向の有無も含めて、動向を追うことになります」(同)

 仮に大山が手を挙げた場合、獲得に乗り出す球団はどこか――。(つづく)

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