<とっておきメモ>

DeNAへの復帰が決まった筒香嘉智外野手(32)が早ければ4月中にも1軍合流する可能性が17日、浮上した。

米メジャーでのオープン戦出場から約1カ月間、実戦から遠ざかっているが、トレーニングは継続。この日は神奈川・横須賀市の球団施設DOCKで調整し、20日からのイースタン・リーグ巨人戦(横須賀)での出場を視野に入れる。2軍戦数試合の調整出場を経て、1軍合流となる見込みだ。今日18日には横浜スタジアムで公開入団記者会見が行われる。5年ぶりに横浜に帰ってきた大砲が胸中を語る。

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筒香が1533日ぶりに横浜スタジアムに帰ってくる。最後の打席は無観客だった。メジャー1年目、渡米直前の20年2月6日。静まりかえる横浜スタジアムから快音が鳴り響いた。気温3度と冷え込む中、貸し切りでナイター練習で振り込んだ。「こんなにぜいたくな練習場はないです。格別ですし、最高に気持ちよかったです」と思う存分に“サヨナラアーチ”を連発した。

Y字型の照明塔からのカクテル光線が球場全体を照らした。無人のスタンドに20発以上を放り込み「高校から横浜にきて、プロに入ってからも横浜で育ててもらった。僕にとってやっぱり特別な場所です」。白い息を吐きながら練習パートナーと2人きりでぜいたくな時間を満喫した。

思い返せば、横浜高の入寮時は野球道具を一式忘れて近くのスポーツショップに急いで向かった。でも、車の後部座席でバットだけは自らの手で抱えていた。バット1本で横浜に来て、バット1本で未来を切り開いてきた。「もっと野球がうまくなりたい。まだまだ野球がうまくなれると思っている」と筒香は言う。バット1本でまた、横浜で勝負する。【為田聡史】