巨人から交換トレードで西武に移籍が決まった松原聖弥外野手(29)は先輩、同世代、後輩と分け隔てなく愛される。

コミカルに周囲を笑いに包む。十八番は「梶谷のモノマネ」。独特の構え方、一塁までの走り方、ベースの踏み方、駆け抜けた後の止まり方など特徴を少し誇張しながら、“持ちネタ”とする。昨秋のファン感謝祭でも多くのファンの前で披露し、爆笑をさらった。

実兄には芸人を持つ。お笑いコンビ「ロングアイランド」のツッコミ松原ゆい。自身が移籍することで、こんな心配も。「日テレさんとかで仕事が減ってしまうんじゃないですか。そこはちょっと心配っす」と笑う。

野球では成り上がりの人生だった。仙台育英では公式戦のベンチに入ったのは2年秋だけ。名門の出身だが、決してエリートではない。「あの時期にレギュラーだったら今の自分はない。『やってやろう』『負けたくない』という気持ちで野球を続けてきた」。明星大を経て、16年育成ドラフト5位で入団し、21年には球団歴代2位タイの27試合連続安打をマークした。以降は苦しむが、移籍を転機としていく。「心機一転、頑張ろうという気持ちが強いです」。また活躍でファンを笑顔にする。