<ヤクルト6−5阪神>◇30日◇神宮

阪神岡田彰布監督(66)が最後の「暴走」に激怒した。

1点を追う9回。2死一塁から佐藤輝明内野手(25)が左翼越えに二塁打。代走の切り札、植田海内野手(28)は打った瞬間にスタート。本塁をめがけて快足を飛ばしたが、相手の中継プレーが完璧だった。

左翼から遊撃を経由して、本塁にどんぴしゃりのストライク返球。何度も劇的なホームインをしてきた植田でも、本塁のかなり手前でタッチアウト、試合終了となった。阪神ベンチは全員がぼうぜんと立ち尽くした。

岡田監督の怒りの矛先は、本塁へのGOサインを出した三塁コーチャーの藤本敦士コーチ(46)に向いた。

「負けてんねんやで、1点負けてんねんやで。信じられんわ、おまえ。なんでも行けじゃないやろ、状況判断やんか、それは。当たり前やろ、こんな狭い球場で。びっくりしたわ、オレも最後。ええ? って思ったわ。先攻で1点負けててなあ。(走者)二塁、三塁でええんちゃうの? (投手が)左で、次が今日2本、タイムリー打ってるバッター(梅野)で」と、あきれ返っていた。

6月21日のDeNA戦(甲子園)では、同点の9回に二塁から植田がサヨナラ生還を果たした。かなり厳しいタイミングだったが「あれを止めたらもう(監督を)辞めるよ」と、突っ込ませるのは当然の判断だったと語っていた。