<高校野球春季神奈川大会:横浜9−4慶応>◇準々決勝◇28日◇サーティーフォー保土ケ谷球場

 

昨夏の甲子園優勝投手、慶応・小宅雅己投手(2年)が、不調のまま宿敵相手のマウンドに上がった。1回2死二塁、横浜の4番椎木卿五捕手(3年)と対戦。カウント1−2から空振りを狙ったカットボールが肩口から入り、左翼席へ完璧に運ばれた。その後も投球は安定せず、4回1/3を4安打4失点、3四死球で降板。腰痛の影響で調整が遅れており「ストレートの強さと試合感覚が全然ない」と現状を語った。

指揮官はあえて小宅を起用した。森林貴彦監督(50)は「練習量も仕上がりも4割ぐらい。今の小宅の状態で(横浜の)誰がどれくらい打つとか、夏に向けて対戦して感じることがあると思うので、(結果は)高望みしてなかった」と意図を明かした。今大会は横浜と準々決勝で対戦も、16年以降の公式戦で相まみえた5度全てが準決勝以上。どん底でライバルとの“前哨戦”を経験した小宅は「最後の夏に良い状態でいければ良い」と力を出せなかった登板を復調へのカンフル剤にする。