<高校野球春季埼玉大会:花咲徳栄8−4山村学園>◇準決勝◇4日◇大宮公園野球場

 

NPBスカウトが見守る中、今秋ドラフト上位候補の花咲徳栄・石塚裕惺内野手(3年)が走攻守で躍動した。

石塚は「今大会初めてポイントをずらされた」と徹底マークで2打席凡打に抑えられる中、3打席目で修正した。

同点の6回1死。甘めに入った直球を捉え、50メートル6秒2の快足を飛ばして右中間への三塁打に。右の強打者は「広角に打てることが強み」と、修正力を発揮。直後には「点数が欲しいっていう強い気持ちが足を動かしました」と、捕逸の間に本塁を狙って生還した。好判断と自慢の足で、チームを勢いづけた。遊撃守備でも5度の守備機会を堅実に守った。

バックネット裏には昨春WBCで世界一に導き、今年1月から日本ハムのチーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)に就任した栗山英樹氏(63)が視察に訪れた。栗山氏は何人か気になる選手がいるとした上で、石塚について「どのチームも欲しいと思うし、なかなか試合を見に来てもこっちが見たいシーンってなかなか起こらないじゃないですか。走塁の判断、競った時の逆方向に打ってとか。そういうところも含めて縁なので」と、勝負強いスター性をたたえた。さらに「(バッティングは)まったくこう弱点がない。癖がないしシンプルにバットが出てくる。(守備は)しっかりといろんなことができる。誰が見てもとても良い選手だなって。すてきだと思います」と、笑顔で語った。