<東京6大学野球:慶大2−0立大>◇第4週第1日◇4日◇神宮

慶大・清原正吾内野手(4年=慶応)が決勝打を放ち、立大を破った。

0−0の9回1死二塁、左中間フェンス直撃の適時二塁打で緊迫した試合を決めた。公式戦では自身初の1試合3安打と「4番清原」が波に乗ってきた。

早大は宮城誇南投手(2年=浦和学院)が東大を5回無失点にし、リーグ戦初勝利を挙げた。

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均衡を破った清原は二塁上で、こぶしを突き下ろした。勢いで右足が跳ね上がるほど喜んだ。「4番らしい仕事ができてホッとしてるのと、ほんとにこの場面で打てて良かったです」。0−0の9回1死二塁、左中間への決勝適時二塁打に喜びを爆発させた。

初対決の立大の吉野からファーストスイングで打った。外角球に腕を伸ばし芯で捉え、引っ張った。「どこまでも飛んでってくれ」と願って全力で走った。神宮初本塁打には高さが数メートル足りなかったが、フェンスに当たった場所は左中間最深部。見事な一打に、スタンドで見守ったプロ通算525本塁打の父和博氏(56)も白い歯を見せた。

4年春、ラストイヤー。ずっと4番で起用される。「4番っていうのは僕にとって特別な打順です」と言う。かつての父と同じだから。でも「清原ジュニアじゃなくて清原正吾として、みんなに名を響かせたい」とも願う。中学、高校と野球を一切やらずとも、大学でここまでやれる−。この日は決勝打はもちろん、ついに1試合3安打。人並み以上の努力と、堀井哲也監督(62)が「とにかくボールを扱うのがうまい」と感服する才能で“2世”の話題性を超え始めた。

「堀井監督もリーグ戦の前に『どの大学とも接戦になることを想定して試合に臨め』とおっしゃられて。ロースコアゲームになるのは想定してました」

2勝で勝ち点が入るリーグ戦ゆえ、先勝は大きい。紛れもなく清原正吾がMVPだった。【金子真仁】

▽立大・木村泰雄監督(慶大にこれで20連敗)「過去のことは全く考えずに臨みましたが…。小畠は8回までよく抑えてくれました」