<高校野球春季関東大会>◇19日◇第2日◇2回戦4試合◇上毛新聞敷島球場ほか

プロ注目の花咲徳栄(埼玉1位)・上原堆我投手(3年)が、複数球団のスカウトが見守る中、公式戦初先発で5回参考ながら日大明誠(山梨2位)にノーヒットノーランを達成した。センバツVの健大高崎(群馬1位)は5回コールドで宇都宮商(栃木2位)に圧勝。常総学院(茨城1位)はセンバツ4強の中央学院(千葉2位)に勝利。帝京(東京1位)は4本の本塁打攻勢で鹿島学園(茨城2位)に7回コールドで大勝した。

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上原が待望の初先発で存在感を示した。右打者がズラリと並ぶ相手打線に130キロ台後半の直球と、横変化のスライダーを低めに集めた。5回完全まであと1死で左打者が登場。カウント2−2と追い込み、「試したかった」と縦変化のスライダーを解禁した。ところが、暴投となり三振振り逃げ。初めて走者を許した。それでも、気持ちは切らさない。次打者から空振りでこの日8つ目の三振。5回参考ながらノーヒットノーランで勝利した。

最速148キロ右腕だが、球場表示は139キロにとどまった。「最速150キロに持っていって、アウトローにいく制球力をつけていきたい」と上をにらんだ。リリーフが持ち場だったが、岩井隆監督(54)は「関東大会の初戦は」と背番号1で先発を託した。上原は「やっとかあ」。参考でも、ノーノーは小6以来。九州出身の祖父の影響で、当時から大のソフトバンクファンだ。目標とするメッツ千賀のようなフォークはなくても、スライダーを武器にレベルアップをもくろむ。

21日の準々決勝では帝京と当たる。強力打線を相手に、上原は「1発があるので。低めを意識していきたい」と気を引き締めた。【佐瀬百合子】