<高校野球長野大会組み合わせ抽選会>◇22日

第106回全国高校野球選手権長野大会(7月6日開幕)の組み合わせ抽選会が22日、塩尻市の県総合教育センターで行われた。

会場へのカーナビを設定すると、ぐんぐんと標高を上げていく。人気映画「君の名は。」の聖地として話題になった高ボッチ高原の入り口にあたり、近くには「崖の湯温泉」という味のある名の温泉もある。

会場は松本盆地、その向こうの北アルプスを一望できる抜群のロケーションだった。斜面のあちこちにそばの花が咲く。調べてみると海抜800メートル超。さながら“天空の抽選会場”と言ったところだろうか。

なぜ、ここで? 県高校野球関係者によると「長野は広いですからね。松本あたりがちょうど真ん中なのでずっと松本市内でやっていたんですが、数年前くらいは隣の塩尻のここに変わりました」とのこと。高速道の塩尻インターチェンジへも車で10分ほど。会場の広さもあり、この県総合教育センターで行われているのだという。

記者はその天空の抽選会に、開始の1時間前ほどに到着。すると会場には全出場校の野球部長、主将がすでに勢ぞろいし、報道各社もずらり。例えば神奈川大会の抽選会では、1時間半前の到着で一番乗りだったのに。しかも抽選会の様子を地元局が生中継していた。熱気がすごい。

静寂のままに抽選会は進行し、運命の組み合わせが決定した。盆地のまっただ中、海抜約600メートルにグラウンドがある松商学園の羽生田流夷(はにうだ・るい)主将(3年)は「ノーシードからの戦いは分かっていたことなので。勝ち進めば早い段階で私立校と当たるかもしれませんが、やるべきことをやるだけです。やってやるぞという気持ちは本当に強くなりました」と意気込んだ。

会場を出ると、再び松本盆地を一望し、気持ちが晴れやかになる。長野県に住む人々にとっては、日常の当たり前の景色なのだろうか。対戦相手も決まり、各校の主将たちは決意あらたに松本、伊那、佐久、善光寺〜と信州各地へ戻っていった。【金子真仁】