<大相撲夏場所>◇12日日◇23日◇両国国技館

2敗力士もいなくなり、優勝争いは混沌(こんとん)を深めてきた。

前日に単独トップに立った湘南乃海は、関脇阿炎に押し出されて3敗目を喫した。

新入幕の欧勝馬は大関経験者の正代をはたき込み、9勝3敗と星を伸ばして優勝争いに絡む。大関琴桜は関脇若元春と物言いがつく微妙な勝負。相手の体が崩れ、すくい投げで何とか3敗を守った。新小結の大の里は宝富士との「3敗対決」を力強い相撲で押し出しで制した。大関豊昇龍は大関経験者の御嶽海を寄り切り。勝ち越しを決めた。

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大の里は宝富士との3敗対決を圧倒した。もろ手突きの立ち合いから、けんか四つの相手に差し勝って右をねじ込むと、左はおっつけて一直線。14歳上、西前頭16枚目のベテランに何もさせず「よかったです」。豊昇龍に豪快に投げられた前日の負けも引きずらず、再びトップに並んだ。それでも優勝争いに関する質問には全て「気にしていない」。3場所連続の優勝争いに、重圧も浮かれた様子も見せずに終始冷静だった。