バスケットボール男子日本代表の渡辺雄太(29=グリズリーズ)のパリオリンピック(五輪)出場に黄信号が灯った。

29日に都内で取材に応じ、左ふくらはぎの肉離れを発症していることを明かした。同日から都内で始まった合宿は別メニューで調整した。本番まで残り1カ月を切った中で、予期せぬアクシデント発生。八村塁(26=レイカーズ)との共演が期待される中で、まずは早期回復に努める。

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報道陣に公開された練習終盤の時間帯。渡辺雄はチームメートがシュート練習で汗を流す中、コート脇でホーバス監督とずっと話し合っていた。公開時間が終わると、報道陣に「隠してもしかたがないので」と前置きし、パリ五輪出場に向けて予断を許さない状況にあることを明かした。

6月上旬、トレーニング中に左ふくらはぎの肉離れを発症。順調に回復していたものの、1週間ほど前に症状が悪化した。7月5、7日の韓国との強化試合(東京・有明アリーナ)は欠場する。「五輪に間に合うかぎりぎりのところ」と明かし、「けがを治すことを優先します」と語った。

その直後には自身のSNSを更新。昨夏のW杯では大会直前に右足首を負傷したこともあり、「またかよとみなさん思うかもしれませんが」と書き出し、左ふくらはぎの状態について説明。「オリンピックまでに死ぬ気で治します」と誓った。

この日の練習から八村が合流した。シーズンオフに入ったあと、何度も連絡を取り合ってきた。「彼の存在やプレーはチームにとって大きい。本番まで楽しみが増えている」。2人が全試合先発出場した東京五輪は1次リーグ3連敗。悔しさを晴らす思いも強い。まずは早期回復に努めることで、本番での共闘を描く。

チームは昨夏のW杯で3勝を挙げ、48年ぶりとなる自力での五輪切符をつかんだ。そのチームについて「経験値がある」と評する。目標のベスト8を目指し、パリで戦うことをあきらめない。【奥岡幹浩】