パリ五輪に臨むバレーボール女子日本代表12人が決まった。1日、都内のNTCで真鍋政義監督(60)が会見し、リザーブ選手1人を含む13人を発表。主将でエースの古賀紗理那(28)石川真佑(24)らに加え、守備専門のリベロは小島満菜美(29)と福留慧美(26)の2人が選ばれた。五輪の目標は、12年ロンドン大会の銅以来のメダル獲得に設定。NTCで合宿中の代表メンバーは、本番に向けて精力的に汗を流した。11日にフランスへ渡り、最終調整に入る。

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代表選考は、真鍋監督の「日本のバレーはディフェンスが生命線」という考えが根幹となった。五輪メンバーは通常の国際大会より2人少ない12人。男子日本代表も含め、リベロを1人とするチームが多数の中で、戦略に基づき2人を選んだ。同時にリザーブメンバーの選択には結束を重視。「あまり迷うことはなかった」と、ここまでのチーム作りの信念が反映された。

◆リベロ VNLで併用された福留、小島をともに選出した。福留の得意分野はスパイクレシーブで、小島はサーブレシーブの安定感が持ち味。指揮官は「スタッフと話し合ったが、ほとんど意見は同じだった。小島はサイドアウトを取るのがメインで、福留はサーブやブレークの時に。スペシャリスト2人を使い分けながら、世界と戦っていきたい」と絵図を描いた。

◆リザーブ VNLで出場機会のなかった33歳の山岸が交代要員に名を連ねた。期待されるのは「目に見えない力」。献身的な支えや後輩たちからの信頼の厚さ、明るい性格が「欠かせない1ピース」と判断された。まとめ役としてのその姿勢は、主将古賀の負担軽減にもつながった。東京五輪では5試合だった1次リーグが、今回は3試合という点も踏まえ、真鍋監督は「最大6試合。ケガのリスクよりは、一致団結して見えない力を発揮する方がはるかに良い」とした。

14人だったVNLファイナルラウンド登録メンバーから、黒後愛と渡辺彩が外れた。3年ぶりに代表復帰し、リリーフサーバーを担ってきた黒後について真鍋監督は「サーブはコントロールが良く、ミスが少ない」と評し、出場機会が限られる中でもブロックなどで持ち味を発揮した33歳渡辺とともに、ここまでの貢献を労った。