◆ラグビー全国高校選抜大会1回戦 目黒学院28―24東福岡(23日、埼玉・熊谷ラグビー場)

 過去6度の優勝を誇る東福岡が終了間際に逆転トライを許し、第3回大会以来となるまさかの1回戦敗退となった。

 前半、東福岡は同13分に先制トライを決めるなど、3トライ(1ゴール)を奪って17―7とリードした。しかし、後半はマイボールからのミスが目立つようになり、1トライ(1ゴール)しか奪えない。目黒学院の攻撃を止めることもできなくなり、後半二つ目のトライ(ゴール)を同25分に許して24―21と3点に迫られた。残りは4分。そのまま試合終了かと思われたが、目黒学院の最後の攻撃で逆転トライ(ゴール)を許して涙をのんだ。

 試合後、選手たちはがっくりと肩を落とした。3年前に6度目の優勝を果たし、前回、前々回は準優勝。3年連続で決勝の舞台に進んだだけに、初戦敗退のショックは計り知れなかった。藤田雄一郎監督は「これだけミスしたら勝てない」と後半の拙攻を嘆いた。しかし、返す言葉で「それはぼくのせい。この2年間何もさせていなかった。彼らは何も悪くない」と選手をかばった。ここ3年間、実績を積んできた偉大な先輩たちの陰に隠れて下積みが続いた今の1、2年生の経験不足が新チームの課題でもあった。

 主将でナンバー8の古田学央(がくあ)は「イージーミスが続いてチャンスを生かせなかった。経験がなかったのは事実だけれど、このジャージーを着たからにはやりきらなければいけなかった」と伝統のジャージーに見合うプレーができなかったことを悔やんだ。

 「彼らは一生懸命やった。この結果をどう受け止め、あしたからどうするかですね」と藤田監督。その思いは選手も分かっている。下田主将は「プレーの精度を高めなければいけないことを、きょう痛いほど知りました。今後の練習からイージーミスをなくすことを自ら発信していきたい」と前を向き、言葉に力を込めた。(安田栄治)