◆高校野球春季九州大会準決勝 明豊5―3鹿児島実(26日・さがみどりの森)
 明豊の「元4番」的場航輝(3年)が2安打2打点と2季連続決勝進出へ大きく貢献した。九州大会では初戦から7番だったが、この日は打順を一つ上げて6番で出場。初回に内野安打で1打点。3―3の8回には右翼を越える適時二塁打で勝ち越し点をあげた。相手投手は最速151キロの鹿児島実のエース井上剣也(3年)だっただけに「ストレートが来たら打とうと決めていました。来たところに逆らわずに打ちました」と振り返った。

 昨秋の九州大会では4番に座り準決勝で本塁打を放った不動の主砲だったが、選抜大会では不振でスタメンを外れ背番号13となった。出番は代打の1打席だけだった。「悔しくて、試合に出られないもどかしさがあった。絶対に試合に出てやると思っていました」と今大会でスタメン復帰を果たした。

 さらに的場を燃え立たせたのが地元鹿児島のチームとの対戦だった。鹿児島県薩摩川内市出身の的場は「明豊で野球がしたい」と鹿児島を離れた。鹿児島実は小さい時から見てきたチームで、選手には知り合いもいる。「気合が入った泥くさいプレーをするチームなので、それ以上に泥くさいプレーをしようと思った。自分は県外に出て勝負しているので負けられなかった」と強い気持ちを持って試合に臨んだ。

【次ページへ続く】決勝も再び鹿児島勢

 決勝は再び、鹿児島県勢の神村学園との対戦となった。神村学園があるいちき串木野市は薩摩川内市と近いだけに知っている選手も多い。「今日とやることは変わりません。気合でいきます」。いつか4番に復帰することを目標に、2019年秋以来の優勝を目指すチームの力となる。
(前田泰子)