福岡で6月に開催されるバレーボールのネーションズリーグ(NL)は、女子(11〜16日)だけの大会ではない。女子と同じく西日本総合展示場(北九州市小倉北区)で4〜9日に行われる男子には、既にパリ五輪出場を決めている日本も出場する。

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 元女子日本代表アタッカーで2012年ロンドン五輪銅メダリストの迫田さおりさん(36)は「同じバレーでも、女子とは違う意味での面白さがあります。特に今の男子日本代表は『つないで、つないで、決めきる!』ので、見ていて本当に楽しいです」と心待ちにしている。

 男子といえば、真っ先に思い浮かべるのが豪快なスパイク。迫田さんは「スパイクを拾ってからの切り返し、目が追いつかないぐらいの素早い展開も強打に負けないぐらい迫力があります。スポーツの枠を超えるようなエンターテインメント性もあります」と、熱い口調で説明した。

 今夏のパリで1972年ミュンヘン五輪以来、52年ぶりのメダル獲得に照準を合わせる日本は、主将の石川祐希をはじめ、西田有志や髙橋藍ら人気と実力を兼ね備えたスター選手だけでなく、脇を固めるいぶし銀の選手もそろうなどバランスのいい陣容を誇る。

【次ページに続く】豊富なエピソード

 そこで迫田さんが「この本を読んだ後にNLを観戦したら、もっと楽しめると思います」と太鼓判を押す一冊がある。「日本男子バレー 勇者たちの軌跡」(文藝春秋・1870円)だ。著者でフリーライターの田中夕子さんとは現役時代から旧知の仲で「個性豊かな選手たちのヒューマンストーリーが豊富なエピソードとともに丁寧に描かれています」と紹介した。

 迫田さんも熟読中で「間違いなくバイブル本になります」と言い切る。5月上旬の黒鷲旗全日本男女選抜大会(Asueアリーナ大阪)では、女子のテレビ解説後に男子の試合を堪能。取材で訪れていた田中さんと男子バレー談議に花を咲かせていた。
(西口憲一)