◆明治安田J1第19節 町田0―0福岡(22日・町田GIONスタジアム)

 3バックの一角でフル出場したアビスパ福岡のドウグラスグローリが攻撃でも存在感を発揮した。

 前半35分に小田逸稀とのワンツーを用いて右サイド深くへ攻め上がり、ドリブルで相手を1人交わしてゴール前にパス。相手選手に阻まれたが、CKを獲得した。後半12分には右サイドでスローインのボールを受けると、ゴール前で待ち構えていたウェリントンにすかさずアーリークロスを供給。ウェリントンのヘディングはゴールの枠を外れたが、決定機となった。長谷部監督は「外側や後ろから攻撃をサポートするような仕事がここのところできている」とうなずいた。

 J2だった2020年に加入してからほぼセンターバックでプレー。当初チームは4バックが多く、3バックを併用しだしてからも中央でのプレーが多かったが、最近は3バックの右サイド側を任されることが増えた。

 「今のポジションは攻撃参加のチャンスがあるし、守備だけでなく攻撃でも相手にとって脅威になるようなプレーができればと思っている。トレーニングから取り組んできている成果が出ている」と日に日に手応えを実感。同じ右サイドでウイングバックを務める小田は「自分も仕掛けたいしリスク管理もあるので『あまり上がらないで』と1回言ったけど、『上がるのが好き』と言われて。今はお互いの得意不得意をすり合わせて、いいものをつくっていきたい」と相乗効果を期待する。

 ブラジル出身のドウグラスグローリは幼少期、元ブラジル代表のFWロナウドに憧れていた。「フェノーメノ」(怪物)と呼ばれ、02年ワールドカップ(W杯)日韓大会で得点王となった希代のストライカーに「昔から本当に決定力が高く、違いを見せる選手と思っていた。彼がアイドルだった」と懐かしむ。

 「自分はそこまでのプレーができるとはまったく思っていないけど、できるだけベストを尽くす。近々アシストを上げることができるように頑張る」と宣言。J1通算100試合まであと3試合に迫った35歳の長身DFがさらにプレーの幅を広げていく。(末継智章)