東京都練馬区の子ども家庭支援センターが入る施設(豊玉北5)に今月、都の練馬児童相談所が開設されたことを記念したフォーラムが26日、区民・産業プラザ(練馬1)で開かれた。専門家の講演や都と区の職員によるシンポジウムがあり、参加者が子どもの福祉の充実へ考えを深めた。

 練馬児相は、児童虐待の対応件数の増加や細かな支援のため、都が1日に新設した。2016年の児童福祉法改正で特別区も児相を設置できるようになったが、練馬区は「区の身近な支援と、都の広域的、専門的な対応の緊密な連携こそが重要」と区での設置方針はない。

 フォーラムは区が主催。「児童福祉以前の子ども事情」について基調講演したノンフィクションライターの武井優さんは、戦前の子どもの状況に触れ「下層社会における被虐待児の救済が、子どもの人権の源だった」などと話した。(奥野斐)