ソフトバンクが歴史的な強さでパ・リーグ首位を独走している。今季72試合目の2日の西武戦(東京ドーム)を白星で飾り、49勝20敗3分けの貯金29。レギュラーシーズン143試合の折り返し地点を過ぎて、勝率は驚異の7割1分を誇る。2位ロッテとの差は12・5ゲームに開き、優勝へのマジックナンバー点灯も目前となっている。

 強さを象徴する個人タイトル争いでも、ソフトバンク勢が投打の各部門を席巻している。NPBが現在定める「記録による表彰」の12タイトルのうち実に10部門でトップ。ちょっと気は早いが、同一チームが全ての個人タイトルを獲得すれば、パ・リーグ史上初の快挙となる。

 まずは投手部門から。防御率はリバン・モイネロ(1・43)、勝利数が有原航平(8勝)、ホールドポイントで松本裕樹(25HP)、セーブ数でオスナ(20S)が単独トップに立つ。奪三振はトップの西武・今井達也(99)にモイネロ(89)が続き、勝率は日本ハム・伊藤大海(7割5分)を有原(7割2分7厘)が追走している。いずれも射程圏内だ。

 打撃部門は全6部門でトップを独占している。打率は近藤健介(3割5分2厘)が独走状態。本塁打も近藤と山川穂高が13本で並ぶ。打点は山川穂高(50打点)だ。近藤は安打数(88)と出塁率(4割5分6厘)もトップ。盗塁もタイトルを過去2度獲得した周東佑京が24盗塁で2位に5差をつけている。

 パの投手部門で1チームが全ての個人タイトルを獲得すれば、1961年の西鉄(稲尾和久=最高勝率、最優秀防御率、最多勝利、最多奪三振)以来63年ぶり。打撃部門は2004年のダイエー(松中信彦=首位打者、本塁打王、打点王、最多安打、最高出塁率。川崎宗則=最多安打、最多盗塁)以来20年ぶり。このまま快進撃を続ければ、投打の全タイトル獲得という史上初の快挙も見えてくる。