能登半島地震により新潟県内でも大きな被害をもたらした液状化。そのメカニズムを専門家による実験で体験しました。

【実験準備】
「マンホールが埋まっていてビルが建っているという状態です」

砂とともにビルや下水管の模型を入れたこちらの装置。一見普通の地面のように見えますが、振動させると…

【記者リポート】
「おお…どんどんビルが沈んで行って、さらには下水管も上の方にあがってきていますね」

模型が傾き、地面から溢れてきた水…これが液状化現象です。実はこちらの地面、事前に水をかけ地下水で満たされた状況を再現していました。

【ものつくり大学 的場やすし客員教授】
「積み重なっていた砂が振動でバラバラになっちゃう、水の中で。バラバラにふわふわ砂が浮いた状態になると、まるで砂全体が液体みたいに動くようになります」

こう解説するのは、埼玉県にあるものつくり大学の的場やすし客員教授です。今年1月の能登半島地震で、県内でも大きな被害をもたらした液状化。的場客員教授によりますと、砂の間が地下水で満たされていたところに地震の揺れが加わると、砂の粒子が浮き液体のようになります。これがいわゆる「液状化」で、建物が傾いたり中が空洞のマンホールが浮き上がったりするということです。

【ものつくり大学 的場やすし客員教授】
「海だったところとか、川だったところ、砂でできている地層で今はその上に土がかぶさって住宅地とかになっているような場所、なおかつ地下水で満たされている、そういう地層があると、そういうところは液状化しやすいです」

「砂が液体のようになる」とはどういうことなのでしょうか。

【記者】
「反発がありますね」

【ものつくり大学 的場やすし客員教授】
「かなりサラサラとした細かい砂です」

水の代わりに空気を砂に送り込む装置でわかりやすく液状化を体験できるといいます。

【ものつくり大学 的場やすし客員教授】
「下からの空気で砂粒が持ち上げられてバラバラになっています。このためこんな感じで…。もう砂がまるで液体みたいに。地震の液状化現象はここまで液体っぽくはならないんですけども、仕組み自体は同じで、砂がバラバラに自由に動けるようになると砂であっても液体みたいになってしまいます」

的場客員教授は液状化すると比較的緩やかな斜面でも崩れやすいほか、周囲の物が倒れてくる恐れもあり、注意が必要だと話します。

【ものつくり大学 的場やすし客員教授】
「液状化ハザードマップみたいな、日本の土地のどのあたりが液状化しやすいかっていうのは、地図として公表されているのでそういうものを見るようにしたりとか。地震の際の液状化現象を正しく理解してもらえたらなと思います」