去年、水難救助訓練中に消防士の男性が死亡する事故があった新潟県柏崎市消防本部で、海水浴シーズンを前に事故後中止していた海での訓練が再開されました。

7月2日、柏崎市の笠島漁港で行われた柏崎市消防本部の水難救助訓練。

【柏崎市消防本部 林晴久 消防長】
「柏崎市民、ならびに観光客が楽しんで安心して安全な海水浴を迎えられるよう、水難救助技術の向上を目指してください」

訓練をめぐっては、去年10月に海水浴場での訓練中に消防士の男性が溺れて死亡する事故が発生。

安全最優先の組織風土の構築や健康状態の把握を含めた個人の適性管理などに取り組むといった再発防止策が第三者委員会によってまとめられ、6月のプールでの訓練に続き、海での訓練が再開されました。

海は気象によって風や波・透明度などが変わるため、入念に装備を確認してから潜水訓練に臨みます。

【齋藤正昂アナウンサー】
「久しぶりの海での訓練ということもあり、周りを岸壁に囲われた比較的波の穏やかな場所で訓練が行われています」

訓練員は降下や浮上など、水の中での基本的な動きを確認していきます。

地上では、事故時にはいなかった2人の安全監視員のほか、訓練する海域全体を監視する警戒員を配置。さらにAEDも用意するなど再発防止策を踏まえ訓練が行われました。

【柏崎市消防本部 小林晴久 消防長】
「職員には『より緊張感を持って災害対応をしてください』と指示をかけている。改善を続けながら、ブラッシュアップした水難救助訓練にしていきたい」

海での事故に迅速に対応するためにも、訓練時の安全の確保は大きな意味を持っています。