来年度予算の成立を受けて、岸田首相が28日午後9時前から記者会見をしました。新しい発言はあったのか。国会記者会館から政治部官邸キャップ・平本典昭記者の報告です。

28日夜、安倍派幹部らへの処分について1つ、新しい発言がありました。

岸田首相「来週中にも処分が行われるよう、プロセスを進めていきたい」「厳しく対応していきたいと思っています」

処分を「来週中に行う」、さらに「厳しくする」と初めて言及しました。

――Q.27日、キックバックの再開に「森元首相が関与していた」という新証言もありましたが、会見で森元首相への聴取は行うと言った、言わなかった?

会見では明確には言っていません。ただ、国会では「対象に含まれうる」と初めて可能性に言及しました。

――Q.聴取するとは明言しなかった、と。それで徹底解明できるのか…とも思いますが、処分を決めるにあたって難しさってどこにあるのですか?

岸田首相は悩んでいます。周辺に「どんな処分にしても全員が納得するものはできない」と弱音を吐いています。

2つの難しさがあると思います。1つ目はキックバック再開について誰が関わったのか、どういった経緯だったのか解明し、合理的な説明ができるか。できなければ世論の怒りがさらに高まるのは必至です。

2つ目は安倍派幹部7人に対して今、処分に「重い」「軽い」の濃淡をつけることを検討していますが、この決定に納得感ある説明がなければ安倍派幹部らから不満が噴出します。

この難しさを乗り越え、「厳しい処分」を「来週」決められるのか。岸田首相は大きな決断を迫られます。