ロシア国防省は6日、戦術核兵器の使用を想定した訓練の準備を、ウクライナに接する地域を管轄する部隊などで始めたと発表しました。

ロシア国防省によりますと、「軍参謀本部は近い将来、南軍管区のミサイル編隊と、航空、海軍の部隊が参加し、戦術核の使用を想定した訓練を行う準備を開始した」ということです。理由として、「西側の挑発的な発言や脅迫に対応するため」としています。

「戦術核」は「戦略核」よりも小型で、ミサイルの射程がおよそ500キロ以下のものとされ、戦場での局所的な使用が想定されています。

フランスのマクロン大統領は、2日に公開されたイギリスの経済誌「エコノミスト」のインタビューで、ウクライナへ軍を派遣する可能性について改めて言及していて、ロシア大統領府のペスコフ報道官は6日、「ウクライナへの部隊派遣の可能性に触れたマクロン氏の発言は、前例のない新たな緊張の高まりだ」と述べ、マクロン大統領の発言が「戦術核訓練」準備の背景にあることを示唆しました。

ロシアとしては、核の実戦使用を示唆することで、西側の支援をけん制する狙いがあるとみられます。