漁獲量はピーク時の約200分の1…。減少してしまったイイダコを増やそうと、5月2日、香川県多度津町でイイダコの卵が放流されました。

貝殻の中から見えてきたのは…。メスのイイダコと約250個の卵です。

産卵前のイイダコと貝殻を一緒に育成した抱卵イイダコと呼ばれるもので、800余りの抱卵イイダコが準備されました。2日は多度津町の蛭子港で抱卵イイダコを漁船に積み込んだあと、沖合いに出港し次々と放流していきました。

香川県によりますとイイダコの漁獲量は2002年には200トン近くありましたが、2023年は1.7トンまで減っていて、県は2021年から抱卵イイダコの育成と放流に取り組んでいます。

2024年は初めて香川県の中部、中讃地区の漁業者も育成に参加し、56の抱卵イイダコを放流しました。

(香川県水産試験場 増養殖研究課 中山博志課長)
「「取り組んでみませんか」とお願いしたところ快く引き受けてもらって、本当にありがたい。この動きが他地区にも広がり、イイダコ資源を何とかしようという動きが広がれば」

(中讃地区底曳網協議会 丸本裕司会長)
「漁獲量が少なくなっている危機感を分かってもらうために漁業従事者がこういうことをする。今していることは小さな一歩だと思う。それが後々、大きな一歩だったと思えるようになれば」

5月から7月にかけてふ化し、秋以降に旬を迎えるイイダコ。失われた水産資源をよみがえらせる取り組みの今後に注目です。