地域で増えるネパール人住民と顔の見える関係を築こうと、那覇市若狭公民館は14日、「ネパールニューイヤーパーティー」を開いた。ネパールで使われるビクラム暦では13日が元日。新年を祝い、混成チームでクイズに挑戦するなど約400人が交流を深めた。(編集委員・阿部岳)

 日本語学校などがある若狭周辺にはネパール人住民が多く、文化の違いから誤解が生まれることもあった。パーティーは互いを知るため2018年に始め、コロナ禍の中断を挟んで今年は飲食コーナーも復活した。

 ネパールのカレーやモモ(ギョーザ)が販売され、大人や子どものダンスが披露された。一番盛り上がったのはネパール人住民と地元住民が即席チームをつくって挑戦したクイズ。「ネパールの首都は?」「ネパールで人気の日本アニメは?」などの問題が出され、正解が発表されるたびに歓声が上がった。

 優勝チームのダハル・シシルさん(24)は「私でも難しい問題があった」と感想を話した。宜野湾市からネパール人の同僚と来た遠山賢一さん(58)も「知らない人同士でチームを組むのがよかった」と笑顔を見せた。

 沖縄の伝統芸能もお返しに披露された。前日から食事の仕込みを手伝ったブダ・スニタさん(19)、タパ・ザナキさん(21)は2人で旗頭を体験。「普段は沖縄の文化に触れる機会がない。とても楽しかった」と喜んだ。

 共催した沖縄ネパール友好協会のオジャ・ラックスマン幹事長は「地域の人と一緒に準備することで、コミュニケーションが取れる。いざという時に相談できる関係がつくれる」と手応えを語る。

 公民館の宮城潤館長はパーティーを始めて以来、住民からネパール人のコンビニ店員に声をかけてみた、などの話を聞くようになった。「当たり前だが、地域の外国人も住民として認識する必要がある。心のハードルを低くしていきたい」と話した。会場では、医師と弁護士による無料相談会も初めて開かれた。