注目のトピックスや新商品、画期的なサービスなど、今知っておきたいホットな情報をOneNews編集部がピックアップ。

今回取り上げるのは、奈良県広陵町にて創業70年以上にわたって印刷業を営んできた大栄工業株式会社が新たに手がけるアナログゲームショップ「紙人-kaminchu-(以下、カミンチュ)」。カミンチュは、印刷業を生業とする同社がこれまでに培ってきた紙製品の生産技術とノウハウを活かした自社オリジナルの紙製ゲームや、法人・個人を問わず独自にセレクトされた商品などを販売するアナログゲーム専門のECサイトだ。

通常、小ロットかつ高価格帯が主流のアナログ新作ゲームにおいて、カミンチュは、お手頃な販売価格で新作ゲームを提供できるのが魅力だ。そんなカミンチュならではの強みについて担当者の話を交えながら紹介していく。

――カミンチュの立ち上げに着手した理由について教えてください。
もともと、弊社は下請けを軸としたBtoBビジネスが主体であったため、よくも悪くも発注元の依頼ありきでの受け身にならざるを得ない現状がありました。やがて、それに追い討ちをかけるようにして、新型コロナウイルスの蔓延や世界的な紛争による原料価格の高騰などもあり、さらに厳しい財政状況を強いられることになりました。そんな最中、自社のインフラを活かした事業拡張はできないかと考え、新たに立ち上がったのがカミンチュになります。

――本サービスに込めた想いについて教えてください。
昨今の急速な技術進歩に加え、コロナ禍でより一層加速したデジタル化の流れに対して、「SNS疲れ」や「スマホ疲れ」、「コミュ力低下」といった言葉もしばしば耳にするようになりました。我々はそうした新たな社会問題に立ち向かいたいという想いも、このカミンチュに込めています。紙製ゲームの制作・販売を通じて、人と人が直接向き合うコミュニケーションのぬくもりをより多くの人に感じていただければ大変うれしく思います。

――本サービスならではのこだわりについて教えてください。
カミンチュは、オンデマンド印刷方式を採用しているので、在庫リスクがなく、短納期での受注生産も可能となっています。その分、生産コストを比較的リーズナブルに抑えつつ、アイデアをほぼ無制限に製品化することができます。また、お客さまからの声を即座に実際の製品に反映できるのもポイントです。

――本サービス開設までに苦労したことがあれば教えてください。
カミンチュの開設にあたって、まずは社内デザイナーにアナログゲームを自由に考案してもらうところから始めました。そうして、次々とアイデアが生まれてくる一方で、これらを市場価格同等の販売価格で販売するためには相応の生産数が必要となること、ひいては既存事業を圧迫しかねない大量の在庫を抱えなくてはならないリスクも懸念されました。

そこで、印刷方式を従来のオフセット印刷から、オンデマンド印刷に切り替えて社内オペレーションを簡略化し、販売価格を抑えつつも1点から受注生産できる体制を整えました。一方で、開発や販売ルート、販売・販促手法などのノウハウをさらに強化すべく、毎日PDCAを繰り返しながら事業を着実に前へ進めているところです。

――最後に読者へのメッセージをお願いいたします。
アナログゲームは、家族やお友達同士が直接向かいあって一緒にコミュニケーションを楽しめるのが魅力です。カミンチュは、一部のアナログゲーム愛好家はもちろん、普段あまりアナログゲームになじみのない人でも存分にお楽しみいただけるような製品の開発や取り扱いを行ってまいりますので、ぜひお気軽にお試しいただけますと幸いです。

■カミンチュができること
カミンチュは、従来の印刷在庫型とは異なる受注型クイック生産方式を採用。文字どおり、受注生産かつ素早い供給が可能で、その分印刷にかかるコストを削減できるのが特徴だ。さらには、在庫リスクがないため、クリエイターが生み出すアイデアを理論上、無制限に商品に反映できるのも大きな強みである。

■販売予定の製品例
新作ゲームを受注生産かつ低価格帯で提供する画期的なアナログゲームショップ「カミンチュ」。コミュニケーションツールとしてはもちろん、紙製ならではのぬくもりを享受できるのもポイントのひとつだろう。年間6〜10点を目安に新作ゲームのリリースを予定しているとのことなので、気になる人はぜひ一度チェックしてみてはいかがだろうか?