俳優の中尾彬さんが心不全のため16日に死去した。81歳。所属事務所が22日、公式サイトで発表した。これを受け、中尾さんの故郷でPR大使を務めていた千葉・木更津市が公式サイトで追悼した。

 同サイトでは、渡辺芳邦木更津市長がコメントを寄せ、「木更津PR大使 中尾彬様のご逝去の報に接し、心からお悔やみ申し上げますとともに、衷心より哀悼の意を表します」と悼んだ。

 続けて、「中尾様は、木更津第一高等学校(現木更津高等学校)をご卒業後、武蔵野美術大学に進まれ、俳優、タレント、コメンテーターなど幅広くご活躍されながら、画家としても、フランスで権威ある賞を受賞し、幾度も個展を開催されるなど、才能を発揮しておられました」と故人の活躍を述べながら、「平成29年11月に、木更津PR大使にご就任いただいて以来、成人式(二十歳を祝う会)での新成人に向けたメッセージや、令和4年の市制施行80周年の記念動画へのご出演、記念誌へのご寄稿など、6年半にわたり、さまざまな場面でご助力を賜りました。昨年には、本市の文化・芸術振興のためにと、ご自身が収集し愛蔵してきた美術作品(38点)をご寄贈くださり、今年3月にこれら寄贈作品を展示した『中尾彬コレクション』を開催した折には、多くの市民の皆様がご来場され、中尾様への感謝のメッセージをいただきました」と、中尾さんが市のためにさまざまなかたちで尽力されたことを報告。

 「木更津PR大使4期目ご就任の際、木更津市が明るくなったと、いろんなものが日の目を見て活気につながっていると笑顔でお話しされたことを思い返し、追慕しております」と在りし日の思い出を語り、最後に「ここに改めてご生前のご功績に対し、深く敬意を表しますとともに、謹んでご冥福をお祈り申し上げます」とあらためて、哀悼の意を表した。

 中尾さんは、2017(平成29)年11月に木更津PR大使就任以来、約6年半にわたり同市の魅力を発信。また昨年11月には、所蔵する美術品38点を「30〜40年前から集め始めたが、これを木更津の人に見てもらった方がいいのではないかと思い、寄附をしました」と寄贈。今年3月にこれらを展示する『木更津市寄贈作品展「中尾 彬コレクション」』が開催された。