Q. 20代、金融関係勤務の女性。この4月で入社3年目を迎えますが、転職することにしました。今年になってから、友人の影響もあって転職エージェントに登録するなど、転職活動をしていました。実務経験が浅いことは分かっていて、本気で転職を考えていたわけではありません。

でも、実際に動いてみると、自分の経歴やポテンシャルを高く評価してもらい、いくつかの会社から内定をいただきました。その中から、今の会社よりも待遇のいいIT系のベンチャー企業に転職することを決めました。

親しい先輩からは「入社3年足らずじゃ経歴として評価されない」と指摘され、転職先では新入社員扱いになると言われました。ノリと勢いで転職を決めてしまったので、正直、不安はあります。

ここ数年、“すぐ辞める若者”がなにかと話題になっていて、まさか自分がそうなるとは思いもしませんでした。「合わなければ、また転職すればいいじゃん」と友人は言います。転職を決めてしまったことで、自分のキャリアがすべてマイナスになるような気がしています。(ハンドルネーム:ハルウララ)

A. すぐ辞めることも「こだわらない」新しい価値観

ハルウララさん、こんにちは。ものごとがとんとん拍子ですすむ時って、「ほんとうにこれでいいのかな」って不安になりますよね。今は、きっとそんな状況なんだろうなと感じました。

今回は広告制作者として感じている、データドリブンだけではない、大きなマーケットの流れが参考になるのかなと思いました。

コロナ禍になって、まるでギアチェンジしたかのようにさまざまな価値観がシフトしました。そのひとつに「こだわらないこと」も入っていたように私は思うのです。

大きく変わった働き方もそうです。仕事は生産性が保てればよい話なので、多くの仕事が「仕事をする場所にこだわらない」でよくなった。

その結果、地方移住という新しい生活スタイルもありになった(実はわたしもコロナ禍をきっかけに地方に住まいを移し、今は東京と2拠点で仕事をしています)。

こんなふうに、コロナ後は「こだわっていたら置いていかれちゃう」時代になったと言えます。

ハルウララさんの文面から思うのは、こだわりの少ない方なのでしょう。それはとても今の時代に「合っている」と思います。

けれど、そうではない彼らにはハルウララさんが“新しすぎる”。

すぐ辞めることも、実務経験が浅すぎるから評価されないことも。これまでの価値観でいっぱいの人には、「価値観を変えなくていいから、せめて新しい価値観を加えて!」と言いたいくらいです。

ハルウララさんは、どちらの価値観も備えたしなやかさがあります。しなやかに変わっていけるのは、この先もAI(人工知能)ではなく人間だけです。

ネガティブな意見には「前はそうだったみたいですね〜」とかろやかにかわしつつ、この選択は「合っていた!」と思えるように、後はがんばるだけ。どんどん前へ進みましょう。(コピーライター 坂本和加)