食事中に「一口ちょうだい」と言われるのが苦手というトピックが、読売新聞の掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。投稿者は、シェアすることが前提の大皿料理などは気になりませんが、一人前のパスタやケーキを分け合ったり、アイスやたい焼きなどを直接かじり合ったりする行為が嫌だといいます。一緒に食事をする間柄で、角を立てずに「一口ちょうだい」を断るにはどうしたらいいでしょうか。

投稿されたトピックのタイトルは「一口ちょうだいのうまい断り方教えてください」。トピ主の「へろりん」さんは、「一口ちょうだい」との求めに対してはっきりと断ると、ケチ扱いをされたばかりか、「協調性や優しさに欠けている」と人格否定までされたといいます。

一度断ったにもかかわらず、その後も「一口ちょうだい」は収まらず、要求が続くことも多いのだとか。職場関係や友人関係の食事の場で、波風を立てたくないと気遣うトピ主さんは、「嫌がっているということがしっかり伝わり、きつくなりすぎず、何度も要求されないよい断り方ないものでしょうか」と発言小町で尋ねました。

「一口ちょうだい」に抵抗感を抱いている人は少なくなく、このトピには130件余りの反響がありました。新型コロナやインフルエンザなどへの感染をにおわせる対抗措置のほか、“一口頂戴族”がいる食事会に参加しないことを勧めるコメントも目立ちました。二度と一緒に食事をすることはなくなるであろう断固拒否の断り方や、思わずひざを打ってしまうような対応策も寄せられました。

「一口ちょうだい」をその場で回避できそうですが、人間関係も危うくなりそうな対応策から紹介しましょう。

「一口ちょうだいと言われたら……、『うん、いいよ♪ 最後に一口残してあげるね♪ 私が先に食べるから待っててね』と感じ良く言って、汚く一口かじるなどして『ハイ、どうぞ♪』と言ってみたらどうでしょう」(「横浜っ子じゃん♪」さん)

「そういう不躾な事を言う人間がいたら、自分の食べ物に、ペッペッペッとつばを飛ばして『これでもいいですか?』と言ってやりましょう。当然、トピ主の評判は落ちますが、そんな連中と食事をするよりましでしょ?」(「ギャンバレ」さん)

「『チマチマチマチマやりとりしてこぼれたりするし嫌いなんだよねえ、そういうの』『汚らしくて貧乏くさくて大っ嫌い』って思いっきり顔を歪めて吐き捨てるように刺々しい口調で言ってやれば、2度と言われなくなります」(「違うとは思いつつ」さん)

なるほど(笑)。もう少しソフトな言い方で、角を立てたくないというトピ主さんの気持ちに近い対応策を探してみましょう。

「自分だったらどうしようかな。『一口ちょうだい』って言われたら『もう、これ全部食べていいよ』ってお皿ごと渡しちゃうわ。シェアしたくないんだもん」(「私も苦手」さん)

「私なら二つ頼んじゃいますね。同じの頼むので、これを分け合ってください、と。倍払うんだし、ケチと言われることもなくなるでしょう」(「さすけ」さん)

いずれも、「一口ちょうだい」に抵抗感を示しつつ、相手の要求をバッサリと切り捨てない気遣いも感じられます。大きな波風は立たないかもしれませんが、さすがにさざ波くらいは立ちそうですね。

だれも傷つけず、「一口ちょうだい」をかわす方法がありました! こちらはいかがでしょうか。

「何を断る時でも『おじいちゃんの遺言なので。すみません』という人いました。これ、すごく便利です。明らかに嘘っぽいのでしつこく迫ってくる人もいるようでしたが、『ほんとすみません。おじいちゃん子だったんで、それだけはできないんです』で通していました」(「pom」さん)

「一口ちょうだい」と言われる状況を作らない提案をしたのは、「もぐもぐ」さん。自分が注文したメニューは余すところなく食べたいので、大食漢の「一口ちょうだい」に迷惑しているそうです。そこで、「分けたくないなという時は、相手と全く同じものを頼みます」。オーダーするときに、潔く「同じものを!」と言い切ります。「食べたいものを食べられないリスクはありますが……、『一口ちょうだい』のリスクは下げられる」と太鼓判を押します。

「一口ちょうだい」にうんざりしている人の書き込みが多く寄せられましたが、中には反対に「一口どうぞ」「ちょっと食べて」という押し付けに嫌悪感を示すコメントもありました。「喜びのシェアとか共有とかきれいごと言わないでほしい」と言い放つ「気がしれん」さん。「同じ店で同じ食卓で食事している時間の共有で十分じゃないですか?」と“一口族”をけん制しました。

(読売新聞メディア局 鈴木幸大)