しかしながら、旅先でも自然の多い場所やリゾート地などにいるときは、緊張感や警戒心から解き放たれ、人はリラックスモードになりやすいです。そうした場所では、人との関わりや共感を求めることが多いと推測できます。

トピ主さんは、夜景スポットやロマンチックな場所、遊園地などに行くと、「恋人や友人、家族と一緒に旅行している方々を見て、ついつい羨ましいなと思ってしまう」とのこと。非日常感で興奮しているときは「一人旅楽しい!」となれても、脳への刺激度合いが少なく、安心してリラックスした状態になれる場所に行ったときには人恋しくなってしまう……ということなのかもしれません。

シチュエーションによって自分のモードが切り替わるのだとすれば、それに合わせて「単独行動」と「ペア・団体行動」を使い分ければ、旅の満足度は高くなると考えられます。今後は「一緒に行くけど、泊まる部屋は別々にする」「旅のプランの中に、単独行動の時間を作る」といった旅のスタイルも試してみてはいかがでしょうか。

一人の部屋で十分に休息を取れると、心身のコンディションも整いやすいですし、日中にしばらく離れて別行動の時間帯を作ると、スッキリして気持ちよく再集合できると思います。「今日は17時までにホテルに戻って、夕食は一緒に食べよう」「2時間後に〇〇で待ち合わせしよう」といった約束をして、お互い好きなように過ごす時間を作るのですね。

ただし、この旅のスタイルは、相手が「単独行動は不安、一緒に行く人と常に一緒にいて楽しみたい」というタイプの場合は実現させにくいです。トピ主さんと同じように「いざとなれば一人旅ができる」という相手であれば、折衷案の良さを見いだしてくれる可能性があるので、そういった目線を持って旅仲間や恋人を探してみるのは一案かと思います。

あるいは、旅先で知り合った人、ツアーで一緒になった人とも感動や人恋しさを分け合うことはできるので、永続的な関係でなくとも「この旅での仲間を作ろう」という意識で行動してみるのもおすすめです。

トピ主さんは恋人と別れて以来、誰かに旅行に誘われても理由をつけて避けてきた……とのこと。「一人旅は楽しいけれど、誰かとも旅をしてみたい」という気持ちがあるのであれば、「私は誰とも一緒に旅ができない人間」とまで思い込む必要はないのでは? たまたま10年前の彼とはそういう相性だっただけで、相手が違えばうまくやれる可能性は十分あるでしょう。

トピ主さんは、自身のことを「極端に自由気ままに行動するのが好き」「協調性もなく人に合わせるのが苦手」「自由奔放、身勝手、我慢強さがない」などとつづっていますが、特に問題なく社会生活を送れているならば、そうした性格を過度に問題視しなくてよいように思います。

一人旅をするには、行動力、決断力、不安や寂しさに打ち勝つ精神力、危機回避能力、臨機応変に対応する力、自分で自分を楽しませる力など、さまざまな能力が必要になります。「それらが備わっていることが私の魅力だ!」くらいに前向きに捉えていてもバチは当たりません。

それに10年前に比べれば、「自分がどういう人間なのか」「どう行動すると、どう感じるのか」といったことも理解できているでしょうから、同行者との距離感などをうまく工夫すれば、人と一緒に楽しく旅をする方法も見つけられると思います。「今の私なら、ちょっとはうまくやれるかも?」と信じて、誰かと旅をすることに対する苦手意識を少しずつ解消していってみるといいように思いました。応援しています。(フリーライター 外山ゆひら)