創刊10周年を迎えたオトナミューズを体現するモデルや、新たな視点を教えてくれる連載執筆陣の皆さんに、「あなたにとってのミューズは?」と質問をぶつけてみました。自身の人生観やファッション、ライフスタイルにおいて、彼女たちはどんな人物に注目し、影響を受けているのでしょう。小誌連載でもおなじみ、漫画家・渋谷直角さんのロールモデルは?

CHOKKAKU SHIBUYA
▶︎ MEI SEMONES

Photo by Lucas O. M.

「カルチャー中年・渋井直人の日常を綴る漫画を連載中の渋谷です。主人公の渋井目線で考えたときに、おそらく今一番渋井がミューズ的に捉えて聴いているであろう日系アメリカ人のシンガーソングライターがMei Semones(メイ シモネス)さん。現在ブルックリンを拠点に活動しているようで、バークリー音楽大学出身の彼女のサウンドは、英語と日本語のMIXで歌われるポスト・ボサノヴァの注目株。すごくいいです。Spotifyで聴けます。その歌、ソングライティング、アレンジ力などの才能に惚れ惚れ。アコースティックな音楽好きの早耳リスナーには去年くらいから騒がれ出し、今年1月に初めて一日だけ恵比寿のブルーノートで来日ライブを行いました。彼女の歌声とギターをどうしても生で味わいたくて、でもいい席のチケットは早々に売り切れ。二階席のステージ裏の方しか取れず、見られたのは彼女の後頭部だけ……というのは実は僕のエピソードですが(笑)、渋井っぽいエピソードでもある気がします」

text:NAO MANITA[LIKECOME]

otona MUSE 2024年5月号より