部活動やスポーツをする人の“定番のヘアスタイル”といえば、「坊主」や「スポーツ刈り」です。どちらもサッパリとした印象の髪形ですが、この両者、どのような違いがあるのか正しく知っていますか。「似てるから分からないかも…」「説明しろと言われるとできない」「正直、同じ髪形だと思ってた」という人もいるかもしれませんが、実は「坊主」と「スポーツ刈り」には明確な違いがあるようです。美容師の原木佳祐さんに、違いについて教えていただきました。

サイドや後頭部は刈り上げるけど…

Q.ずばり、「坊主」と「スポーツ刈り」の違いとは。

原木さん「『頭を丸める』という言葉もあるように、『坊主』はお坊さんのように『丸刈り』にする髪形のことを指します。『スキンヘッド』という言い方もありますね。

一方で『スポーツ刈り』は、サイドや後頭部は刈り上げますが、前髪があるスタイルのことをいいます。『スポーツ』という言葉がついたのは、前髪があると汗をかいたときに直接汗が顔にかからないため、スポーツをしている学生などから人気の髪形だったから、というのが理由のようです」

Q.そもそも美容院で「坊主」や「スポーツ刈り」のオーダーをしても問題ないのでしょうか。

原木さん「もちろん問題ありません! 技術的に『できない』ということがなければ、『この髪形は頼んじゃダメ』ということはありませんので、安心していただければと思います。

ただ、美容院と理容室の違いの一つとして、『理容師しか剃刀(かみそり)を使った施術ができない』という点があります。そのため、ヒゲ、もみあげ周りのメンテナンスや、フェードカット、刈り上げといった剃刀を使用する施術の一部は理容室でしか受けられないと考えておくとよいでしょう」

Q.どうして美容院と理容室で、行える施術が違うのですか。

原木さん「理容師と美容師はそれぞれ『理容師法』と『美容師法』という法律によって、できる施術/できない施術というのが明確に定められているからです。このうちの一つとして、先述した『剃刀を使った施術ができる』のが理容師の特徴です。そのため、使用できる道具によってできる施術、できない施術があるのです。

もし、初めての予約で不安があるときは、事前に問い合わせをしていただけると美容師側も対応しやすいと思います」

* * *

 刈り上げのスタイルは、前髪の有無や数ミリの髪の長さによって、印象を大きく変えることができます。美容院と理容室は法律によって使える道具や対応可能な施術が変わるので、刈り上げなどのショートヘアを試してみたい人は事前になりたいスタイルを伝えて、確認しておくとよさそうですね。