PRESIDENT Online 掲載

地震や台風、集中豪雨などの災害に、どうやって備えればいいのか。ファイナンシャルプランナーの内藤眞弓さんは「経済的な備えとして、火災保険と地震保険には入っておいたほうがいい。とくに、損害額が大きくなりがちな水災補償は外してはいけない」という――。

■災害から立ち直るにはお金が必要

2024年は元日から最大震度7の能登半島地震が発生したのに続き、4月17日には愛媛、高知県で震度6弱を観測するなど、全国各地で地震が相次いでいます。自然の猛威を見せつけられ、あらためて災害への備えを意識する人が増えたのではないでしょうか。

内閣府の「防災情報のページ」では、「我が国は、その位置、地形、地質、気象などの自然的条件から、台風、豪雨、豪雪、洪水、土砂災害、地震、津波、火山噴火などによる災害が発生しやすい国土となっている」と注意を喚起しています。

発災直後は災害救助法に基づく応急救助が行われますが、復旧や復興の段階になれば、生活再建の局面へと向かうこととなります。今回は災害とお金に関する情報を、「公的制度に頼る」側面と「自分で備える」側面に分けてお届けします。

■災害弔慰金と災害障害見舞金の支給要件

まず、公的制度から見ていきます。

災害を原因として死亡した場合、遺族に災害弔慰金が、障害を負った場合は本人に災害障害見舞金が支給されます(図表1)。

これは「災害弔慰金の支給等に関する法律」に基づくもので、1市町村の区域内において住居が5世帯以上減失した災害、都道府県内において災害救助法が適用された市町村がある災害など、所定の要件に該当した場合に支給されます。たとえば、生計を維持していた人が死亡すると500万円が、その他の人の死亡だと250万円が遺族に支払われます。

さらに同法では、都道府県内で災害救助法が適用された市町村が1つ以上ある災害により、負傷もしくは住居や家財に被害を受けた世帯に対し、生活の立て直しを行うための災害援護資金の貸付も行います(所得制限あり)。