■アフリカの大地に桜の木を植えるかのよう

すでにカメイアさんの出身国への貢献は始まっている。

「2020年に私の地元ウアンボ市に、地元の旧友とともに中小企業を対象としたコンサルティング会社を設立しました。現在、約30社のクライアントの成長をサポートしています。年内にはアンゴラの首都ルアンダにも事務所をオープンします」

「“玉ちゃん“に会ってお礼がしたい!」とまだ対面叶わぬ育英会の玉井義臣会長を慕うカメイアさん、ブラジル留学での5年間を通じて、育英会への敬意とともに日本への憧れを温めている。

育英会の100年構想で、1人また1人と親日のアフリカ人を増やしていくことは、まるでアフリカの大地に桜の木を1本1本植えるかのようだ。桜の木がしっかりと根を張り、花を咲かせれば、わたしたちにとってアフリカがより親しみの持てるエリアとなり、そこからさらにビジネスや文化の交流が生まれていくと期待が膨らむ。

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仁尾 帯刀(にお・たてわき)
ブラジル・サンパウロ在住フォトグラファー/ライター
ブラジル在住25年。写真作品の発表を主な活動としながら、日本メディアの撮影・執筆を行う。主な掲載媒体は『Pen』(CCCメディアハウス)、『美術手帖』(美術出版社)、『JCB The Premium』(JTBパブリッシング)、『Beyond The West』(gestalten)、『Parques Urbanos de São Paulo』(BEĨ)など。共著に『ブラジル・カルチャー図鑑』がある。
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(ブラジル・サンパウロ在住フォトグラファー/ライター 仁尾 帯刀)