5月3日に行なわれるU23アジアカップの決勝戦。ここまでなんとか勝ち上がってきた日本代表は、大陸王者の座をかけてウズベキスタンと対戦する予定だ。

すでに出場権を獲得したパリ五輪は2ヶ月後に迫っており、逆に言えばこの決勝戦はメンバー入りに向けた最後のアピールチャンス。18名に絞られる本大会のスカッドに選ばれるためには、ここで活躍しなければいけない。

今回は、この決勝戦でアピールしなければならない日本代表の5名の選手をピックアップしてみた。

木村誠二





クラブ:サガン鳥栖

オリンピック本大会ではオーバーエイジでセンターバックの板倉滉や冨安健洋、伊藤洋輝の招集を希望している…と言われる日本代表。

この大会で急成長を見せた高井幸大が一つ抜け出している状況にあるといえるため、センターバックとして残された枠は多くない。

退場してからしばらく出場できなかった西尾隆矢が決勝で使われる可能性はあまり高くないため、この試合でどれだけ木村誠二が活躍できるのか、それは彼にとって決定的なものになるだろう。

オリンピック本大会でも頼れると大岩剛監督に信頼してもらえるようなディフェンス能力を見せられるか。ウズベキスタン相手に魂を見せて欲しいところだ。

小久保玲央ブライアン





クラブ:ベンフィカ

彼の場合はメンバー入りというよりも五輪本大会で出場できるのかどうが問題になるだろう。すでにA代表でプレーしている鈴木彩艶が呼ばれる可能性は高く、そうなれば彼はバックアップに落とされてしまう。

ただ、このU23アジアカップで見せている小久保玲央ブライアンのパフォーマンスは決して目立って劣るものではない。いくつかの厳しい試合を乗り越えられたのは彼の活躍あってこそだ。

本大会でも彼にゴールマウスを任せるかどうか、大岩監督だけでなく日本サッカー協会の誰もが見守っているはずだ。

現在ベンフィカではプレーのチャンスが与えられない状況にあることを考えれば、彼にとっても見本市となる大会。五輪で出場機会が得られれば、大きなステップアップのチャンスになる可能性も。

山田楓喜





クラブ:東京ヴェルディ

カタール戦でのスーパーゴールはまさに山田楓喜の才能が発揮されたもの。今季京都サンガFCから東京ヴェルディへとローン移籍して活躍し、そしてU23アジアカップでも主力に滑り込んできた。

その左足のキックや勢いあるプレーについては魅力たっぷりであるが、では五輪本大会に彼が招集されるかどうかという点については難しい見方も。

右サイドというポジションは久保建英と重なる上、他のエリアでも使える藤尾翔太が控えている。山田楓喜が18人の枠に入るには、彼らを上回らなければならない。

セットプレーのキッカーとしては非常に有用な存在であること、そして誰よりも右サイドで輝けることをこのウズベキスタン戦で証明したいところ。

佐藤恵允





クラブ:ヴェルダー・ブレーメン

ヴェルダー・ブレーメンでプレーしている佐藤恵允。この年代の日本代表では重用されてきた選手だが、U23アジアカップではあまりうまくいっていない。

情熱的な突破やドリブルに関しては勢いを感じるものの、肝心のシュートやパス、状況判断などにおいて粗さを見せており、結果に結びつく雰囲気がない。

同じ左サイドの平河悠が欠かせないアタッカーになりつつあることを考えれば、18人の枠に入れる可能性はかなり低くなっているように見える。

ただ、アジアの戦いと違って守勢になる試合が多くなることを想定すれば、佐藤恵允は五輪で必要とされる存在かもしれない。そのような場面で決定的な武器になることを証明したいところ。

田中聡





クラブ:湘南ベルマーレ

藤田譲瑠チマと松木玖生がほぼ当確だと考えられている中盤。他のインサイドハーフの1枚は荒木遼太郎か山本理仁が使われてきた。

田中聡と川崎颯太の二人に関しては五輪本大会に出場できるかどうかはまさにこの決勝でのプレー、そして7月までのJリーグでの活躍にかかっている。

特に田中聡はこのU23アジアカップで韓国戦のみのプレーとなっており、アピールのチャンスはここしかない。

Jリーグでは好調なパフォーマンスを続けてきただけに、このタイミングでオリンピックに出場できないのは田中聡のキャリアにとっても痛い。決勝での奮起に期待したいところだ。