5月25日にウェンブリーで行われるFAカップ決勝でマンチェスター・シティと対戦するマンチェスター・ユナイテッド。

『Daily Mail』によれば、ユナイテッドの一部スタッフたちは、このほど発覚した待遇格差に怒っているという。

クラブの大株主となったIneosは、支出削減に乗り出しており、伝統だったスタッフへの特典も廃止。これまでスタッフにはFAカップ決勝のチケット、ウェンブリーまでの往復交通費、試合前のランチ、試合後のパーティー、ロンドンでの宿泊費が与えられていた。さらに、上級職になると友人や家族の同伴も許されていた。

だが、スタッフに与えられるチケットは1枚だけになり、ウェンブリーまでのバス代20ポンド(3800円)を支払わなければいけなくなった。そして、その他の特典はすべて打ち切りと通告された。

そうしたなか、特典廃止が通告された翌日に判明したある出来事がスタッフたちから顰蹙を買う事態に。ルーク・ショウら高給取りである選手たちの妻や恋人たちが高級レストランでランチを楽しんだ際、妻たちにはHarvey Nichols(英国百貨店)のグッズなどがお土産としてプレゼントされたが、代金はクラブが支払っていたという。

クラブスタッフのひとりはこう話している。

「ちょっとひどい仕打ちだ。ウェンブリーへの旅はスタッフが長年楽しんできた伝統だ。我々がしてきた仕事への感謝であり、チームが良かった時には全員が報われるということ。

コストカットを図っているのは明らかだが、1日も経たないうちにWAGs(選手の妻・恋人)が街に繰り出して、クラブがその代金を支払ったというのはちょっと贅沢な話だ」

一方、チーム関係者は我がクラブにはトップリーグでも最高の選手ケア部門があると不満の声を一蹴したそう。ランチ会もカレンダーに多くある社交行事のひとつだったようで、クラブで最も重要な存在とされる選手とその家族をもてなすことも重要視されているとか。

ユナイテッドがスタッフへの特典を廃止した要因には、プレミアリーグの財政ルールもあるようだ。Ineosは上級幹部のクレジットカードを解約するなど支出の取り締まりを行っているそう。また、およそ1000人いるスタッフの最大25%を解雇する方針とも伝えられている。

一方、シティはFAカップ決勝の観戦を希望するスタッフには無料でチケットと移動のバスを提供。また、スタッフたちは家族や友人のためにチケットを買うこともできるとのこと。