広島駅前の風景が、一夜にして大きく変わりました。建設が進む広島電鉄の「駅前大橋線」。巨大な橋げたをかける工事が16日夜、実施されました。路面電車が駅ビルの2階へと直結することも大きく注目され、沿道には多くの市民も駆けつけ、作業を見守りました。

路面電車夜のまちに光る点滅灯。広島電鉄の駅前大橋ルート完成に向け、着々と工事が進むなか、その先には…。

末川徹記者
「駅前大橋まで移動してきました。橋の入口あたりが高架の起点となっていて、緩やかな坂となっています。このあと設置されるのが、あの橋です」

RCC

路面電車が2階に乗り入れるための巨大な橋げたです。16日午後10時50分、広島駅前の交差点は1車線を残し、大規模な通行止めとなりました。高架区間の一部でもある橋げたは長さ43㍍、重さは約250トンにのぼります。

末川徹記者
「午後11時20分を回りました。大洲通りです。台車が動き始めています。タイヤが前に移動しています。ゆっくりです。作業員が慎重に合図しながら、少しずつ移動しています」

RCC

仮にクレーン車でつり上げた場合、より多くの作業日数がかかることから、計画の段階で、自走式の台車での移動を決めたそうです。10分ほどで、交差点の南側から中央付近に到達しました。

「見に来るだけでも価値がある」この日のために帰省した学生も

RCC

ただ、道路は必ずしも平たんではありません。場所ごとで微妙に異なる高さをこまめに確認しながら、慎重に移動します。作業員たちが様子を見守るなか…。

末川徹記者
「夜中にかかわらず、大勢の人が訪れています。これだけ人の数が多いので、奥の人は、手を上に持ち上げて撮影しています」

子どもから大人までが沿道に駆けつけ、注目度の高さがうかがえました。

訪れた親子
「いつも通っていて、新しくなるので楽しみ」
「見に来るだけでも価値がある。利用する人も県外の人も増えるのでは」

RCC

この日のために、帰省した学生もいました。

大阪から帰省した学生
「1週間に1度帰省して、広島駅ビルのバスエリアなどを撮影している。大規模リニューアルは、人生に1回あるかないかななので、記念に納めたい」

末川徹記者
「1時間が経過しました。橋げたがかかりまして、台車が外されました。車やトラックが通る上を路面電車が走る。改めて、橋げたの迫力が伝わってきます」

RCC

この日の作業は、翌朝5時ごろまで続き、無事に終えました。

工事の担当者
「橋梁3つのうち、1つ目がかけられた。大きな一歩を踏み出した」

新しい広島駅の誕生に向け、地元の期待がかかるなか、大がかりな工事は17日も慎重に進められています。

「駅前大橋線」は来年春から 新ルートは?

RCC

駅前大橋ルートの高架区間は、259㍍です。16日夜、大洲通りの橋げたがかかりました。

まだ、橋げたの工事が2つ残っています。これらがすべて完成してから、ようやく線路が敷かれます。

RCC

2025年春に開業したら、広島電鉄のルートが大きく変わります。比治山から稲荷町交差点を通って、広島駅に向かうのが、「駅前大橋ルート」です。

これまで、例えば八丁堀から駅に移動する場合、遠回りしなければなりませんでした。

最短距離で通すことで、▽移動時間が約4分短縮▽駅周辺を高架にすることで、道路の渋滞も緩和できることが期待されています。