3月29日(金)、プロ野球が開幕。広島カープは、DeNAとの3連戦でした。

3月29日(金)DeNA vs. 広島(横浜)

新井カープ2年目のスタートの地・横浜スタジアム。カープの先発は、11年目で初の開幕投手をつかんだ 九里亜蓮 。DeNAのドラフト1位である1番・度会隆輝 をセカンドゴロに打ち取るなど無失点のスタートを切ります。

打線は、2周り目に入った3回、1番・菊池涼介 から 上本崇司 、小園海斗 と3連打で満塁とすると、プロ15年目で初の開幕4番の 堂林翔太 。東克樹 の初球のチェンジアップをしぶとくセンター前へ。選手会長の一打でカープが先制します。

なおも満塁で5番の 坂倉将吾 。「いい流れだったので積極的に行った」とこちらも初球打ち。去年、16勝のDeNA・東から5連打で2点目を奪います。

6番・レイノルズは、「センター方向を意識していた」という言葉通りの打撃できっちりと犠牲フライ。来日初打点をマークし、3対0とリードを広げます。

ところが、直後の3回ウラ、ランナー2塁・1塁で迎えるは、ドラフト1位の度会。これがオープン戦首位打者だった男の実力か…。プロ初ヒットが同点の3ランとなり、九里はリードを守り切れません。

それでも5回、2安打を放っている小園。去年は初ヒットまで17日かかり苦しんだ男が、ことしはいきなり猛打賞をマークします。その後、2アウト・3塁・1塁となり、打席には初の開幕スタメン、20歳の 田村俊介 。しかし、高校の先輩・東の前に3打席連続三振と1本が出ません。

九里は、ホームランの後に失点を許さず、7回を投げ、89球、7つの三振を奪う内容で先発としての役目を果たします。

九里亜蓮 7回 球数89 被安打8 奪三振7 失点3

同点で迎えた8回、2番手は去年の最優秀中継ぎ投手、島内颯太郎 。しかし、1アウト・満塁のピンチを招きます。DeNAの代打・大和に対しストレートを4球続けますが、154キロをはじき返され、打球はライト・田村のもとへ。

懸命のバックホームでしたが、アウトにすることはできず、これが決勝点に…。逆転負けの新井カープは、2年連続で開幕戦、黒星スタートとなりました。(DeNA 4ー3 広島)

3月30日(土)DeNA vs. 広島(横浜)

2戦目の先発は、黒原拓未 。森下暢仁 の先発回避でマウンドを託された3年目の左腕でしたが、初回、先頭打者の度会に対してボールが抜けてしまい、わずか3球で危険球退場となってしまいます。

4回には、3番手・大道温貴 が渡会に2試合連続となるツーランホームランを浴びてしまいます。

カープは6回、代打でプロ初打席の 久保修 。カープファンの期待を乗せた大きな打球は、惜しくもセンターのグラブに収まります。

意地を見せたいカープは9回、2塁・1塁のチャンスを作り、打席には前の試合3安打の 小園海斗 。一矢報いるタイムリーを放ちます。しかし、反撃もここまで。開幕の敵地・横浜で2連敗となりました。(DeNA 6ー1 広島)

3月31日(日)DeNA vs. 広島(横浜)

強風の中、行われたDeNAとの開幕3戦目。なんとか1勝がほしいカープは、1回に先制を許しますが、2回、秋山翔吾 がフォアボールで出塁すると、坂倉将吾 がレフト前ヒット。この当たりで秋山と坂倉は好判断で塁を進め、ノーアウト・3塁・2塁とします。

ここで打席に立つのは、そろそろヒットがほしい、売り出し中の 田村俊介 。ヒットとはなりませんでした(1塁ゴロ)が、これが田村のプロ初打点となります。秋山がホームを踏んで、同点に追いつきます。

続く3回、打席に立つのは、今季、初スタメンの2番・田中広輔 。本人が「初球から思い切っていった」と語る打球はスタンドへ。勝ち越しに成功します。

投げては、先発として初めて開幕ローテに名を連ねた アドゥワ誠 。開幕戦から苦しめられているDeNAのドラフト1位ルーキー・度会を空振り三振に仕留めるなど、絶好調のリードオフマンを封じ込めます。

そんなアドゥワをバックも盛り立てます。4回には、セカンド・菊池涼介 が忍者ばりの跳躍力で1アウトをもぎ取ります。

5回には、小園が打球に飛びつくナイスキャッチ。相手に流れを渡さない巧みなプレーで盛り立てられたアドゥワは、5イニングを61球で投げ抜き、3安打1失点に抑えます。

アドゥワ誠 5回 球数61 被安打3 奪三振1 失点1

アドゥワからマウンドを引き継いだのは、前日の登板で1回、無安打無失点だった 益田武尚 。この日も1イニングをしっかり無失点で切り抜け、プロ初ホールドをマークしました。

益田武尚 1回 球数16 被安打2 奪三振1 失点0

2対1のまま、迎えた8回。1アウト・2塁・1塁の場面、得点圏にランナーを置き、打席に立つのは4番・堂林翔太 。レフトへヒットを放つと、DeNA・佐野恵太 が悪送球。野間峻祥 がホームに戻ってくると、さらにエラーが重なり、小園海斗 もホームイン。一気に2点を追加し、なおも続く得点のチャンス。

1アウト・3塁・1塁でここまで2安打の 坂倉将吾 。内野ゴロの間に代走・矢野雅哉 も戻ってきて、3点目をゲット。リードを4点に広げます。

9回のマウンドに立つのは守護神・栗林良吏 。2者連続空振り三振で試合終了。カープは、今シーズン初勝利を手にし、先発を務めたアドゥワは、2019年8月以来、5年ぶりの先発勝利をおさめました。

栗林良吏 1回 球数18 被安打1 奪三振2 失点0

広島カープ アドゥワ誠 投手
「今季、1勝目。チームが勝てたのがよかったと思います。いや、もう野手の方に助けられて、なんとか5回を投げられたので、みんなに助けられた1勝だと思います」

  ◇  ◇  ◇

青山高治 キャスター
日曜日の今シーズン初勝利は大きかったですね。

RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
本当に大きかったですし、3連敗してここに立つのはすごく嫌だなと思っていました。

田村友里 キャスター
確かに…、新年度のスタートで…

青山高治 キャスター
土曜日に負けた時点で月曜から天谷さんがレギュラーなのにと思いながら、祈るような気持ちでずっと…

天谷宗一郎 さん
本当にすばらしい攻撃ってのを見せてくれました。相手のミスもありましたけれども、カープの選手が塁上でぐるぐる、ぐるぐる回っているのを見ると、これがやっぱりカープの野球だなってあらためて感じた試合でした。

青山高治 キャスター
こうやって振り返りながら田村俊介選手の初打点とか、久保修選手のバッティングを見て、天谷さん、「これでいい」「これでいい」って言われていました。

天谷宗一郎 さん
アウトの積み重ねもそうだし、田村選手なんか、やっぱり初ヒットほしいんですよ、今シーズン。それでもあのケースの中では打点がつく、チームのために若くしてできるっていうのはすばらしいなと思いますし、久保選手も初打席でしっかりと初球を打てた。これは次に前に進めますよね。

青山高治 キャスター
外国人選手の離脱が伝えられる中、田中広輔選手も…

天谷宗一郎 さん
やっぱりベテラン、大事ですね。