広島市立の小・中学校の学校給食費で、2023年度の未納額が約2700万円に上ることが分かりました。広島市では、22年度の未納額が前年比32倍となる2045万円に上りましたが、さらに増えたことになります。そんな中、6月、広島市の子育て世帯に届いたのは、「重要」「必ずご確認ください」という文字が入った「黄色い封筒」でした。

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ひときわ目を引く黄色い封筒。宛名の横には「重要」の文字。今月、広島市内の小・中学校に通う子どもの保護者宛てに、広島市教育委員会が送った給食費の「納付額決定通知書」です。給食費の年間合計額や引き落とし口座番号などが記されています。

封筒が届いた保護者
「(Q.黄色い封筒は?)ちょっとびっくりしました。あ! 黄色と思って。とりあえず、すぐ開けて」

広島市民
「これは特に何が来たんだろう、大変だと思って、見ます」
「重要感がある重要な感じ。早めに開ける私は」

この通知、これまでは白い封筒で「重要」の文字もありませんでしたが、今年度から初めて黄色に変えたといいます。

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なぜ変えたのか、広島市教育委員会に聞きました。

広島市教育委員会 健康教育課 藤谷誠之 課長
「未納となっている方には、通知文書を見ていない、届いているのかわからないといった声があったことから、このたび保護者のみなさまにより見ていただけるよう目立つ封筒に変更しました」

黄色に変えたのは、目立つ色にして、まずは保護者に手に取ってもらうという「未納対策」の一環だったのです。

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実は広島市の小・中・特別支援学校では、2022年度の給食費の未納額が2045万円と、前の年に比べて約32倍に急増しています。2023年度はさらに増え、2700万円に上る見込みです。

急増した主な原因は、給食費の徴収方法の変更です。

広島市でも2022年度から学校ごとに給食費を集める方式から、広島市がまとめて集める「公会計」に変わりました。しかし、引き落とし手続きにミスがあったり、周知不足だったりしたことから徴収が滞り、未納額が急増したということです。

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広島市教育委員会 健康教育課 藤谷誠之 課長
「通知を見ていただくことにより、学校給食費の振替口座に入金を忘れていた、支払いを忘れていたなどのケースを少しでも減らし、未納額の減少につなげていきたい」

黄色い封筒にはこれ以上、未納額を増やさないという狙いがありました。

黄色は、全国の自治体で使われている赤やピンクなどカラフルな事例も調べた上で決めたといいます。

広島市教育委員会 健康教育課 藤谷誠之 課長
「縦じま、横じまといった模様などさまざまな意見がありましたが、奇抜すぎず、かつ目にとどまるカラーデザインにした」

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市教委には保護者から「黄色に変わってびっくりした」「すぐに開封した」という声も届いているということで、「目にとまる」という狙いは達成したようです。

広島市教委は、23年度がさらに増えた理由については「分析中」としていますが、保護者に公平に負担してもらうため、学校を通じて納付書を渡すなど有効的な未納対策を進めていきたいとしています。