2024年5月2日、中国のSNS・微博(ウェイボー)では、メーデー連休に中国各地の著名観光地で多くの人出があり、上海市のバンドなどで出現した「人の波」が注目を集めた。

上海を代表する観光スポットのバンドではこれまでも大型連休になるとしばしば身動きが取れないほどの人が密集し、その様子がその都度注目されてきたが、新型コロナの影響から完全に脱した今年のメーデー連休にバンドで発生した「人の波」はひときわ注目の的になったようだ。多くの微博アカウントが1日夜、バンドの遊歩道に隙間が見えないほどの人が押し寄せた写真を掲載した。写真からは特に黄浦江に近い側の密集が激しく、雑踏事故が起きてもおかしくないような状況であることがうかがえる。


また、バンド付近でライトアップされたレトロ建築が並ぶ道路にも「人の波」が押し寄せ、交差点では交通の混乱を防ぐために警察官が一糸乱れぬフォーメーションで人の流れを誘導し、その様子もウェイボーで紹介されて注目を集めた。情報によると、バンドではこの日だけで57万人の人出があったという。


中国メディア・快科技によると、上海のバンド以外にも陝西省西安市の大雁塔などで連休初日に観光客が密集。ネットユーザーからは「6カ国ぐらいの観光客が全員集まった感じ」という感想が出たと紹介した。また、四川省のパンダ飼育基地では1日の朝から来場客による長蛇の列ができ、あるネットユーザーから2時間並んだとの報告があったほか、楽山大仏に至っては4時間待ちの行列ができ、「午前はただ行列に並ぶだけで終わってしまった。時間の無駄遣いだ」と嘆く声も聞かれ、「4時間並んでも大仏の足元しか見えない」と伝えた。

記事によると、1〜5日のメーデー連休は1日当たり2億7000万人が地域をまたいだ移動を行い、昨年のメーデー連休を上回る見込みだという。人の波で身動きが取れない様子を見た中国のネットユーザーは「どこも行かない」「どうして人気スポットに行かなきゃいけないのか。マイナーなスポットで十分楽しめるのに」「どこの観光地も普段は客が少なくて連休にお金を稼がないといけないからこうなる」といった感想を残している。(翻訳・編集/川尻)