半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は24日、熊本県菊陽町に建設してきた第1工場の開所式を開いた。

中国メディアの参考消息によると、これに関連し、英誌エコノミストは、TSMCの日本工場が米アリゾナ州に建設中の工場に比べて順調に進んだ「3つの理由」を挙げた。

TSMCは昨夏、アリゾナ州に建設中の2つの工場のうち第1工場の稼働を2024年から25年に延期した。今年1月には、第2工場の稼働は27年もしくは28年になり、以前のガイダンスで示していた26年より遅れると明らかにした。

記事は1つ目の理由は「労使関係」にあるとし、「工場建設における台湾人労働者の使用をめぐるアリゾナ州建築建設労組との長期にわたる論争は、TSMCが地元労働者を雇用し訓練するという約束で23年12月に最終的に解決した。それに対し、日本では労働組合の活動は比較的まれだ」とした。

記事によると、2つ目の理由は「親切な現地パートナー」で、「日本の自動車部品メーカーであるデンソーとエレクトロニクス大手ソニーのチップ製造部門は共にTSMCの日本子会社の少数株を取得し、自動車メーカーのトヨタもこのベンチャー企業に出資する。これらの企業には、自国で大規模プロジェクトを成功させた豊富な経験がある。対照的に、TSMCはアリゾナ州で単独で進めており、1990年代以来、米国で初の大規模プロジェクトとなる」とした。

そして3つ目の理由として「補助金」を挙げ、「日米両政府はどちらも補助金の提供をもって世界の半導体メーカーを誘惑してきた。TSMCはすでに日本政府からの補助金を受け取っているが、22年に可決されたCHIPS法に基づく米国からの補助金はまだ得られていない」とした。(翻訳・編集/柳川)