2024年3月14日、韓国・朝鮮日報は「夢の列車と呼ばれる超高速鉄道、ハイパーループが現実に近付きつつある」と伝えた。

ハイパーループは真空チューブ内を超高速で走行する交通手段。1910年に米国の物理学者、ロバート・ゴダードが初めて提案した概念で、テスラのCEO、イーロン・マスク氏が開発に着手したことで注目を浴びた。

理論上、真空状態では時速1000キロメートル以上を出すことが可能で、旅客機(時速900キロメートル)よりも速く、未来の中核交通手段になると期待され商用化開発が進められてきた。距離が長く規模が大きくなるほど真空状態の維持が困難で、直線の線路の建設にも限界があるというが、世界各国の大学や企業の尽力により、最近は少しずつ成果が出ている。記事はハイパーループについて詳しく説明し、中国航天科工集団公司(CASIC)、カナダ・トランスポッド、ドイツ・ミュンヘン工科大学の開発ケースを紹介している。

韓国では韓国建設技術研究院がコンクリート素材のハイパーループチューブの開発を進めているという。時速1000キロメートルが現実のものとなれば、ソウル〜釜山(直線距離約320キロメートル)を20分で移動できる。線路と車両の摩擦がないため騒音も軽減される。

同研究院のペク・ジョンデ博士は「理論的には、韓国内なら全国を30分以内で移動できるようになり、国境を接する国には飛行機よりも早く、数十分で行けるようになる。世界中の人々を高速で結ぶ未来の交通手段となる」と話している。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「事故が起きたら即死だな」「走馬灯がよぎる暇もなくすぐ死ぬだろうね」「ソウル〜釜山をなぜそんなに急いで移動しなきゃならないんだ?」「こんな物を作る必要ないと思う。高速で走ればいいってもんじゃない」「途中の大田(テジョン)で停車している間にうどんを一杯食べる、そのうまさが分かるか?」「旅行というのは移動中に眺める風景やわくわく感も大切な思い出なんだよ。急いで移動しようとして、到着地があの世になりそうだ」など、否定的な声が多数寄せられている。

また、「各地で停車しないなら通過するなという抗議活動が起きるだろうな。その結果、ここで止まって、そこでも止まって、あそこにも止まって…となる」「途中であちこちに停車することになれば1時間以上かかって、全く意味がなくなる」というコメントも見られた。(翻訳・編集/麻江)